おちょやんの平均視聴率が20%に届かなかった背景 “苦労話”重めでコロナ禍が影響か

NHKの連続テレビ小説「おちょやん」の本編の最終回が14日に放送され、関東地区の初回から最終回までの期間平均視聴率が17.4%だった(ビデオリサーチ調べ)。SNS上ではさまざまな声が上がって話題となり、高い評価を受けていた作品だが、2019年度後期の「スカーレット」の19.4%以来となる期間平均視聴率の20%の大台割れ。同作の最高も18.9%にとどまった。この要因はどこにあるのだろうか。

NHK放送センター【写真:ENCOUNT編集部】
NHK放送センター【写真:ENCOUNT編集部】

「おちょやん」関東地区の期間平均視聴率17.4% 平均世帯視聴率の最高は18.9%

 NHKの連続テレビ小説「おちょやん」の本編の最終回が14日に放送され、関東地区の初回から最終回までの期間平均視聴率が17.4%だった(ビデオリサーチ調べ)。SNS上ではさまざまな声が上がって話題となり、高い評価を受けていた作品だが、2019年度後期の「スカーレット」の19.4%以来となる期間平均視聴率の20%の大台割れ。同作の最高も18.9%にとどまった。この要因はどこにあるのだろうか。

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 同作は、松竹新喜劇などで活躍した女優・浪花千栄子(なにわ・ちえこ)さんがモデル。主演・杉咲花が演じる竹井千代が女優の道を生き抜き、「大阪のお母さん」と呼ばれるようになるまでを描いた作品。幼い時に奉公に出され、弟とも生き別れ、その後も父の借金で苦労し、夫と離婚するなど次から次へと苦難が描かれた。父については“朝ドラ史上最低の父親”との声があがったほど。

 平均世帯視聴率を見ると、戦争が描かれ、幼なじみの夫ら身近な人が亡くなったり、夫との離婚など沈んだ空気が漂う時期は視聴率が16%台に。一方で、終盤、主人公の千代がラジオドラマをきっかけに、女優として再び生きていこうと決意し、前向きに歩み始めた明るいムードの時期は18%ほどに数字が上昇する傾向にあった。

 朝ドラの出演者がよく意気込みとして語るのは「見てくれる人が朝から今日も頑張るぞ、と元気が出る作品にしたい」という言葉。それは朝ドラの大きな魅力の1つ。同作では、苦難の中、たくましく生きる七転び八起きのヒロインが描かれたが、少し苦労話の比重が大きかったのかもしれない。

 関係者によると、期間平均視聴率が20.1%だった前作「エール」と比べると世代の高い視聴者層の数字が微減だったとされるが、新型コロナウイルスの影響で気持ちが沈みがちな世の中にあって、朝から重い雰囲気が漂う話は、視聴者にはあまり好まれなかったのかもしれないとの声も聞こえた。新型コロナ感染拡大防止のため放送開始が2週間遅れたが、コロナ禍でなければ数字は違ったかもしれない。

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