華やかだけではない声優の世界 「基本はお芝居」名門・代々木アニメーション学院のこだわり

生徒たちに熱心にアドバイスを送る講師の竹下さん。(中央)【写真:安藤かなみ】
生徒たちに熱心にアドバイスを送る講師の竹下さん。(中央)【写真:安藤かなみ】

働きながらでも、週1回からでも声優を目指せる 「何歳だからダメということはない」

――代アニの生徒の皆さんには、どんな声優になってほしいですか。

 竹下さん「せっかく声優を目指したのであれば、長い期間活躍できる、息の長い役者になってほしい。新人さんが使われやすい現場もあるのですが、新人期間が終わり、ギャラのランクが上がった途端に、仕事が減少したというケースは多いです。それでも『呼びたい』と思ってもらえるような演者になってくれればいいなと思います。

 そのためにも、基礎はちゃんとやっていないといけません。どんなお仕事でもそうだと思いますが、たまたま何かの縁があったとしてもそのあとがなかなか続かない、という方もいるので。基礎はしっかり持っていてほしいですね」

――無事にデビューできた後も努力し続けることが大切ですね。

 竹下さん「もちろんです。現場に入ることがなによりの勉強になりますが、人気声優さんたちは毎日現場に入っているんですよね。しかも複数収録ということもあります。そんな中で、授業だけ来て、家ではゲームをやって寝ていますで追いつけるわけないというか。だって、人気声優さんほど毎日現場に入って、誰よりも訓練しているんですからね。

 第一線で活躍している方も基礎の練習はやっていると思います。朝起きて、そのまま寝起きで現場には行けないです。数時間前に起きて、発声練習をして……という方がほとんどではないでしょうか。華やかなところばかりに見えますが、水面下では相当足をばたつかせて、その日の喉の調子を確認したり、必死に練習をしているのではないでしょうか」

――代アニさんには、週1コースや夜間コースもあり、さまざまな年代の方を受け入れていますが、どんな年齢からでも声優を目指すことはできるのでしょうか。

 竹下さん「働きながらでも、週1回からでも学べます。例えば、昼は大学生や社会人をやりながら、夜間に全日コースと同じカリキュラムを受けている人もいます。それだけ時間もお金もかけている、相当な覚悟があると思います。

 声のお仕事でもいろんなジャンルがあります。外画の吹き替えやナレーションなど、幅広い年代の方が求められます。狭き門で簡単ではありませんが、何歳だからダメということはないですし、社会人をへてデビューした方もいるんですよ」

――最後に、声優になりたいという夢を持っている皆さんに一番大切にしてほしいことを教えてください。

 竹下さん「好きであるということです。好きなだけではなく、研究をしていかないといけないし、先生にダメ出しやアドバイスいただくことや辛いこともあると思います。ダメだった時に悔しがる気持ちや、好きだからうまくなりたいという気持ちがあると思いますが、それが一番大事。やっぱり好きな子って熱心になるので上達が速いんですよね。アニメでも映画でも、そこに携わりたいという気持ちをまず持っていてほしいです。好きこそものの上手なれではないですが、好きでいることは前提になってきます。

 良いことばかりではないので、アニメ大好きな子たちでも、今度は自分たちがやる立場になると、辛かったりするんですよね。今日の生徒も難しいと言っていましたけど、楽しいだけではない。でも、アニメや映画に対する情熱を持っている。くじけることはありますが、その火が消えない限りは続けられると思います!」

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