“レジェンド”伊沢拓司が「高校生クイズ」に10年ぶりの凱旋「帰ってきたな」
再出場にも意気込み?「優勝時のメンバー再集結で勝ちたいです(笑)」
――変遷を予想するのが楽しみということですが、今年の「ソウゾウして未来を切り拓け」というテーマでは、どういう風にみていますか?
「ソウゾウ脳というのをどう解釈していくのかというのは、今までと違って関わらせて頂く自分のほうにも関係してくる、やらなきゃいけないそしゃく作業なので今現在も悩んでいますけど、個人的にはソウゾウというのはゼロから1を作る力ではなくて、0.1をいっぱい集めて新しい1を作る力だと思うので、むやみやたらと考えるのではなくて今までの人生の高校生たちが積んできた16年ないし18年の人生の中の、それこそ知識や経験といったあらゆるパーツをかき集めて新しいものを作り上げてくれるようなところに期待したいなと思います。なので、すごい能力を持っているとか突飛なことを考える人たちが活躍できるような天才発掘という形でなくて、自分が得てきた経験をどう整理し、どう回収し、いいものを作るかというところが大事になってくるのかなと思うので、それぞれの良さが出るような形の高校生クイズになるといいのかなと。全員が違う人生経験を持っているから、それぞれの人生経験を生かした戦いになっていけばいいなと思いますし、そもそも僕が出ていたころと本質は変わらないですからね。みんなが今まで得た知識を、本番を想像した上で対策することで武器に変えてぶつけ合うわけで。それぞれ異なる知がぶつかる真剣勝負でこそ、個性が輝くと思います」
――今大会対策をするなら、どのようにお考えになりますか?
「いきなり何かを作るわけではないので基本的には学習だと思います。知見を増やす。知識を増やす。やっぱり知識というのは今まで過去の人たちが積み重ねてきたソウゾウを形にしたものですから、過去の人に学んでいろいろな基礎的な知識を入れておくのはまず大事になってくると思います。その上で、より大事になってくるのはそれで終わらないということ。知識も大事だし、それを深堀りして自分の中の『なぜ』を解決する経験も大事です。知識の運用面まで含めたソウゾウ力でこそ『新時代の知のガチンコ勝負』になると思うので、これから知ることをひとつも捨てない、全部本番に持っていく心構えが対策になると思います。
――ソウゾウするということは、伊沢さん自身は得意ですか?
「そうですね。僕の高校生クイズ対策はまさに『ソウゾウ』でした。知って終わり、教科書やクイズの問題集を10冊とってきて頭からお尻まで覚えますじゃなくて、Aという知識があったときに『この知識は高校生クイズならどう出るのかな』というのを想像していたわけです。『このラウンドではこうやって出るんじゃないか?』とか、『去年はこんな問題Aが出たから、今年は派生知識のA’が出るんじゃないかな?』とかその知識の特性を見極めた上で実際の本番に生かすための想像をしました。ただの知識じゃなくてそれを膨らませて出題形式まで予想して対策をしていったのが自分の勝った要因だと思うので、そういう意味では知って終わりではないというところは昔にも通じるものがあると思います。一歩先を想像して、まだ見ぬ問題を創造していたわけですからね。そういう癖をつけることが今も昔も対策として重要ですね」
――もう1度大会に出場するのはどうですか?
「勝ちますけどね! それはもう、自信満々に勝ちます! 負けてられないです。優勝時のメンバー再集結で勝ちたいです(笑)」
――最後に今年の大会に参加しようと考えている高校生のみなさんにメッセージを御願いします。
「優勝したメンバーで取材を受けることも多くて、『どうやってチーム組んだらいいですか?』って毎回聞かれました。3年間で計4人とチームを組んだのですが、僕含め5人が口をそろえて言うことには『やっぱり一緒に出て楽しい仲間と出たほうがいいよ』ということですね! 高校生クイズは、ひと夏のとても素晴らしい思い出ですし、予選に出るだけでも長く記憶に残るんですね。僕もクイズプレーヤーとしていろんな人に会っていると『僕も高校生クイズに出たんですよ』って言われることがすごく多くて、みんな自分なりの思い出を持ってるわけです。だからぜひ、楽しく過ごせるメンバーで出てもらって、まずは全力でエンジョイして頂くというのがいいのかなと思います。今のうちから楽しむ想像をしていただいて高校生クイズをエンジョイできれば、10年、20年と高校生クイズの思い出話で盛り上がれると思うので、まずは楽しむ心づもりだけもって大会に参加することが大事かなと思いますね」