“レジェンド”伊沢拓司が「高校生クイズ」に10年ぶりの凱旋「帰ってきたな」

自身の出場を振り返る「必死さがあってこそ、クイズというエンターテインメントは成立」

 伊沢からの熱いコメントは下記の通り。

――スペシャルパーソナリティ―就任のお気持ちは?

「最初に思ったのは『帰ってきたな』と。僕にとって、クイズでしっかりとテレビに出たのは高校生クイズが初めてでしたし、ここで勝つために高校時代をささげてきたので、そういう意味では自分が青春を注いだものに後輩たちを応援させてもらえる立場で戻れたというのは、このうえない幸せですね。本当にありがたい限りですし、自分が卒業してからも応援しながらずっと大会を見続けてきました。でも、私的に楽しんでいたので、自分が楽しんでいるところを目の前でみんなに見られるという恥ずかしさはちょっとありますね。クイズマニアとしての恥ずかしさというか、結構熱中してしまうタイプなので、『気を引き締めてやるぞ』という気持ちになっています」

――2010、11大会を開成高校でチームとして個人として連覇しましたが、伊沢さんにとっての高校生クイズの思い出とは?

「中学3年生ぐらいから自分にとっての高校生クイズは始まっていて、対策をして、仲間を集めて、大会に出て、優勝してということだったので、本当にいろんな思い出がありますね。努力も思い出ですし、やっぱりそこに集まった人たちの交流もすごく覚えていて、ホテルでみんなでワチャワチャと廊下で早押しクイズやったりとか、怒られるけど(笑)。あとはそれこそ宿で浦和高校と次のラウンドを予想する会議したなぁとか、みんなでお弁当を食べて、だんだんと上のラウンドに行くに従ってお弁当がいいお弁当になっていったり、携帯でお弁当の値段を調べて、『あれはなかなか食べられるものじゃないぞ』みたいなこと考えたりとか、本郷のラーメン屋で他校のメンバーと長居したり……思い出は尽きないですね。今は仕事を一緒にしているメンバーにもその時出会ったメンバーが複数人いるので本当に自分にとって高校生クイズは原点ですね。思い出深い。それ以降も『個人で連覇の人が出ないかな?』ってハラハラしながら見ていましたし(笑)、傾向の変遷を予想して、優勝校も予想して……みたいにずっと楽しんでましたね。毎年夏はソワソワしながらテレビの前にいました。10年ぶりといいつつ意外とそんな感じがしないのは、やっぱり毎年気にしてたからかもですね」

――高校生クイズも時代とともに変わってきましたが、どのようにご覧になってきましたか?

「僕は変遷を予想するのが好きなので、ウェブライターを精力的にやっていたころは自分の連載で高校生クイズの傾向を予想したりして、『当たった! とか、ここ外した!』とかしていました。僕が出た頃とはもちろん傾向が違うわけですけど、クイズという1つのテーマをさまざまなアプローチで追求しているなと。時代によって高校生に求められる力って違うと思うしみんなが見て面白いと思うものも変わっていくと思うので、変遷を楽しませていただいてますね。それこそ2010年代中盤とかはウルトラクイズの系譜を継いでマラソンクイズやってましたからね。ウルトラから20年経って、あの『すべてを投げ捨ててクイズしに来た』感を高校生でリバイバルできるのって、2010年ごろのガチンコ時代の『クイズこそ我が人生』的な高校生のイメージがやる側にも見る側にも継承されているからだと思うんです。歴史の積み重ねがあってこその形式だな、みたいな楽しみ方をしてました。過去があるから今がある」

――大声クイズなど、いろいろなクイズもありましたね?

「勝つために羞恥心を捨てていくみたいなところは面白いですね。僕の時代もやっぱり解答を大声で叫んで気持ちが乗ったり、みんな本当にテレビカメラの前にもかかわらず涙を平気で流したり。形式は変われどひと夏に賭けた感情が発露する瞬間とか、ベースとなる思いは不変ですよね。その舞台に携われることが幸せです。必死さがあってこそ、クイズというエンターテインメントは成立しますしね」

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