大河ドラマ「青天を衝け」 好調維持のカギは60代、70代の視聴者キープ

NHK大河ドラマ「青天を衝け」(日曜午後8時)が、大河らしさを本格的に感じさせてきた。最近は放送開始当初と比べると視聴率が少し下降気味ではあるが、すぐに元の勢いを取り戻す可能性を感じる。カギは60代、70代の高年齢層の視聴者が戻ってくること。

NHK放送センター【写真:ENCOUNT編集部】
NHK放送センター【写真:ENCOUNT編集部】

NHK「生きることを最終話までの貫いたテーマとして描いていきたい」

 NHK大河ドラマ「青天を衝け」(日曜午後8時)が、大河らしさを本格的に感じさせてきた。最近は放送開始当初と比べると視聴率が少し下降気味ではあるが、すぐに元の勢いを取り戻す可能性を感じる。カギは60代、70代の高年齢層の視聴者が戻ってくること。

 ビデオリサーチの調べでは、関東地区の初回の平均世帯視聴率20.0%から第2回には16.9%へと3.1ポイント下がったが、それでも高い数字。第3回16.7%、その後も16%前後と、高いレベルで堅調に数字をキープしてきた。ただ、4月18日の第10回、同25日の第11回では14%前後と少し下降気味。関係者によると、第3回の頃と比べると70代、60代、50代と、比較的高い年齢層の視聴者が離れているという。

 日本の資本主義の父と言われる渋沢栄一の生涯を描く作品。これまでは武蔵国・血洗島村を主な舞台に、藍玉作りを営む家に生まれ、少年から青年となるまで栄一という人物がどう形成されたか、人物の根っこを中心に描かれてきた。歴史的事象を巧みにからめながら、渋沢家の重厚で感動的なホームドラマのようにも感じられた。

 そんな中、5月2日の放送の第12回では、栄一が京へ旅立つ姿が描かれ、これから栄一自身が、江戸幕府の終焉(しゅうえん)から新たな時代の明治に変わる、時代のうねりに直面し、本格的にかかわっていく転換期と感じさせた。NHKのチーフ演出・黒崎博氏によると、今後、徳川慶喜と栄一が出会い、さらに、栄一がパリの万国博覧会に派遣され、カルチャーショックを受けるなど、人生のステージがどんどん変わっていくという。

 また、黒崎氏は91歳まで生きた栄一を描くとき、「最後まで生きなきゃだめだ、生きて何かしないとだめだ、この国、世界のために何かしないと意味がないと、当時の人としては珍しく言い切った人。なので、どんなにみっともなくとも生きることを最終話までの貫いたテーマとして描いていきたい」と説明した。

 コロナ禍で気持ちが沈みがちなとき、幕末からの激動の時代を「生きる」をテーマに据えて描くという作品。きっと世代を超えて心に響くはずだ。

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