「ニュースウオッチ9」田中正良キャスターの素顔「自分では愛妻家と思っています」

半年、1年後「もう少し慣れてくるといいですね。見ている方を緊張させないほどに(笑)」

 まじめな性格がひしひしと伝わってくる。仕事を離れ、家庭ではどうだろう。

「自分では愛妻家と思っていますが、妻はどう思っているか分かりません(笑)。妻と娘と私の3人家族なので(妻、娘)2人の言うことに耳を傾けて、という感じで、うまく回っていけばいいなと思っています。むこうの同盟関係にはかなわないです(笑)」

 趣味は剣道という。もっと素顔を知りたい。休日の様子なども聞いてみた。

「剣道を中学からやっていまして、高校、大学でも。米国や中国に赴任した時も地元の道場に行ったりしていました。4段以上だとかっこうがつきますが3段です。試合は弱かったですね。緊張しちゃうんです。あと、休みの日は、エネルギーがローバッテリー状態になって、ほとんど寝て過ごしています。充電です(笑)。お酒は弱く、すぐ真っ赤になります」

 気取りのない控えめな言葉が続く。柔らかい穏やかな声が、より謙虚さを感じさせる。仕事では海外を飛び回り、鋭い視点で情報を伝えてきた敏腕記者。そもそもジャーナリストを目指したきっかけは何だったのか。

「中国に関心があり勉強する中、現地の状況を伝えられたらいいと思うようになり、報道が一番の道かなと。あと子どもの頃、磯村尚徳さん、木村太郎さんの『ニュースセンター9時』を通して伝わってくる外国のニュースに胸がときめいていました。話を全部、理解していたわけではありませんが、いろいろ知ってみたいという気持ちが小学生の頃にありました。こんなところがあるんだ、と胸をときめかせていました。日本と全然違う様子に新鮮な驚きがありました」

 小学生の頃、見ていた同じ放送枠に出演している。夢がかなったのかと問うと、きっぱりと否定し、ジャーナリストの顔になった。

「海外に行って取材して伝えることはやってみたいと、ずっと思っていましたが、夜9時のニュースのキャスターというのは考えたこともありませんでした」

 最後に半年、1年後にどんなキャスターになっていたいのかを聞いた。

「一日一日こなすのに一生懸命ですので、もう少し慣れてくるといいですね。見ている方を緊張させないほどに(笑)。伝え方が多彩になるといいなと考えています」

 素顔もとにかく実直で謙虚。出演を重ねるごとに、その魅力は視聴者に一層伝わるはずだ。

□田中正良(たなか・まさよし)1967年3月14日、東京都生まれ。東京外国語大学卒業後、92年にNHK入局。初任地の横浜放送局をへて報道局国際部となり2000~2004年にパリ支局、06~08年が上海支局、08~10年は中国総局(北京)に。13年からワシントン支局に駐在して16~18年までワシントン支局長。18年に帰国後は主に国際部に所属。

トップページに戻る

1 2
あなたの“気になる”を教えてください