水原希子&さとうほなみ主演作、暴力と性描写 廣木監督「ギリギリ許されたのかな」
2007年に連載を開始した中村珍原作のコミック「羣青(ぐんじょう)」が女優の水原希子とさとうほなみを主演に実写化され、15日からNetflixで独占配信される。メガホンをとったのは“恋愛映画の名手”として知られる廣木隆一監督。夫殺しを依頼した七恵、その頼みを受けたレイの正しいことも悪いことも、善も悪も超えた彼女たちの逃避行を描いたロードムービーはどのようにして完成したのか。廣木監督に製作のきっかけや映像へのこだわり、キャスティングの狙いなどを聞いた。
鮮やかな朝焼けの空、夜の空、赤い血、赤い車…狙って撮った
2007年に連載を開始した中村珍原作のコミック「羣青(ぐんじょう)」が女優の水原希子とさとうほなみを主演に実写化され、15日からNetflixで独占配信される。メガホンをとったのは“恋愛映画の名手”として知られる廣木隆一監督。夫殺しを依頼した七恵、その頼みを受けたレイの正しいことも悪いことも、善も悪も超えた彼女たちの逃避行を描いたロードムービーはどのようにして完成したのか。廣木監督に製作のきっかけや映像へのこだわり、キャスティングの狙いなどを聞いた。(取材・文=鄭孝俊)
――「羣青」を映画化してみたい、と思った決め手を教えてください。
「2人の生き方といったところにいちばん引かれました。それぞれの家族や家庭の話もけっこういっぱいあってそこにも引かれました」
――七恵は裕福な暮らしを手に入れた代償のように夫からの家庭内暴力を受け、彼女を高校時代から慕っていたレイは大金持ちのお嬢様。現代の格差社会は意識しましたか?
「もちろん意識はしていますが、それを色濃く出しているわけではないです。どちらかというと伏せています」
音楽のぜいたくさが特徴
――映画の導入から色彩美に引かれます。
「鮮やかな朝焼けの空、夜の空、赤い血、赤い車などは狙って撮っています。原作の『羣青』に『青』という字があるのでブルーの色も入っていますが、色彩に意味を持たせようとはしなかったですね。色のない世界を描いているのではない、というのはありました」
――今作はNetflixと手を組んだ映画となりました。そのメリットは?
「日程的に余裕をもらったので、基本的に順撮りができたところがよかったです。あとは、ノラ・ジョーンズの楽曲など日本の映画では権利が高くて使えない音楽もたくさん使うことができた。音楽のぜいたくさがこの映画の特徴の一つです」