“次世代ヒロイン” 山田杏奈の理想は「いろいろな色の役ができる役者」 新春インタビュー
優れた演技力と透明感のあるルックスで注目を集め、2020年にさらなる飛躍が期待される若手女優がいる。山田杏奈(18)だ。2019年は話題の映画やドラマで活躍し、今年は1月14日午後9時から放送開始のサスペンスドラマ「10の秘密」(カンテレ・フジテレビ系)に出演。注目のドラマから新年のスタートを飾る。「いろいろな色の役ができる役者」を目指し、輝きを増し続ける“次世代のヒロイン”に、演技観や新年の抱負を聞いた。
1・14放送開始カンテレ・フジテレビ系ドラマ「10の秘密」出演 向井理と“親子”共演
優れた演技力と透明感のあるルックスで注目を集め、2020年にさらなる飛躍が期待される若手女優がいる。山田杏奈(18)だ。2019年は話題の映画やドラマで活躍し、今年は1月14日午後9時から放送開始のサスペンスドラマ「10の秘密」(カンテレ・フジテレビ系)に出演。注目のドラマから新年のスタートを飾る。「いろいろな色の役ができる役者」を目指し、輝きを増し続ける“次世代のヒロイン”に、演技観や新年の抱負を聞いた。
――“迷宮のようなサスペンス”と話題の連続ドラマ「10の秘密」に出演されます。向井理さんが演じるシングルファザーの主人公・白河圭太の娘で、14歳の瞳役です。
「瞳は家でもお父さんと仲良くて、学校の人間関係も勉強も一生懸命やっている普通の“いい子”です。第1話は特に仲のいい娘とお父さんという関係ですが、タイトルにもある通りその裏にいろいろな秘密が隠されています。その関係が回を追うごとにどう変わっていくのかというところも楽しみにしていただけるドラマだと思います」
――圭太は瞳と2人暮らしの建築確認検査員で、一方的に離婚を通告してきた元妻・由貴子(仲間由紀恵さん)に出て行かれた後は、娘のことだけを考え、理想の父親として瞳となんでも話せる関係を築いてきた。ある日、圭太のもとに、「娘を預かった。命が惜しければ、元妻を探せ――」と電話がかかってくる。瞳を探すにつれて、別れた妻の隠された秘密ばかりか、何でも知っていると思っていた娘にすら、秘密があることを知ってしまう……といったストーリーです。予想が付かないような展開が続きそうですね。
「瞳にもいろいろな面があって、お父さんの前でお父さんが思っている瞳の姿とは違う姿もあります。プロデューサーの河西秀幸さんが、『瞳が周囲で起きていく事件に翻弄されるように、あまり考え過ぎずに、同じように山田さん自身も何が起こるのかをある意味楽しみながら演じてもらえれば』と話してくださったので、(推理小説の)本を読んでいるような感覚でいます。私自身も驚きながら、それを瞳に反映させられるように演じていけたら。そんな瞳を見守っていただければと思います」
――ドラマの見どころやポイントを教えてください。
「『10の秘密』というタイトルの通り、登場人物が何かしらの秘密を持っていて、最初とは想像もできないような姿になったりします。その人を守るためのちょっとした秘密だったはずなのに、逆にその人を傷つけてしまうような展開も多分出てくると思います。一筋縄ではいかないドラマなので、複雑さも楽しめると思っています」
――今回のドラマのテーマにかけて、山田さんご自身の“プチ秘密”はありますか。
「実は、『ジムに通っている』と言っているんですけど、ちょっとだけお休みをしています。作品に入ったので、忙しくなってしまって。小さな秘密ということで(笑)」
――撮影が入ってしまうと、なかなか通えないですよね。
「ちゃんと手続きをしたらジムに復帰できます。運動は家でもしています」
――映画のキャリアでは、2018年の初主演作のホラー映画「ミスミソウ」は“少女の復讐”がテーマの強烈な役柄でした。2019年は「五億円のじんせい」で1人2役、「小さな恋のうた」では青春映画でバンド演奏にも挑戦しました。役者としての成長をどう感じていますか。
「2019年の1年間はすごく早く感じて、年を追うごとに早くなっている気がしています。それは現場にいさせてもらう時間が長いからだろうなと思っています。1個1個の作品を終えるごとに、少なからず成長している部分、変わっている部分があるという感覚です」
――2019年を漢字で表すとどんな1年でしたか。
「難しいですけど、『色』です。いろいろなことを経験させてもらい、いろいろな役をやらせてもらったからです。『ミスミソウ』が最初の主演作だったこともあり、シリアスなイメージを持っていただいている方も多いと思うんですけど、2019年が今までで一番明るい役をやらせていただいた年だと思っています」
――2020年、今年の新たなテーマにもつながります。
「そうですね。そういった意味でも、いろいろな色に染まれるというか、いろいろな色の役ができる役者になりたい、という抱負もあります」
――シリアスな役柄と明るい役柄の違いやとらえ方について、どのようにお考えですか。
「ここ2、3本の出演作は明るい役柄が続きました。今回の『10の秘密』はわりとシリアスな役柄なので、久しぶりだなあという感覚があります。私自身はシリアスな作品が好きで、実は以前は明るい役に苦手意識がありました。ここ何回か続けてやったので、その違いについてそんなに気にならなくなりました。明るい役をやったからこそ、反対のシリアスな役ができるのだと。前にやらせていただいた仕事を、次の作品につなげていければと思っています。私は人と話していて、『落ち着いたトーンで話すね』と言われることが多いので、そこは役にもよりますけど、シリアスな役の時は落ち着いたトーンで話しているのかなと思っています」
新年の抱負「もっと自分を見てもらえる年に」
――どんな役柄もこなすというところで、挑戦したい役はありますか。
「やりたくない役ってないんですよ。お話をいただいた時に、何か大変そうだなと思うことはありますけど、それぞれ役によってキャラクターや個性はみんな違うわけですし、いろいろな役をやりたいです。それに、今年は10代最後なので、今まで年齢としては大学生が一番上だったので、社会人で働いている役をやってみたいなと思っています」
――例えば、キャリアウーマンですか。
「いいですね、かっこいいです。もし演じる場合があれば、自分が通っていない道なので、周りの友達にも聞きながらやってみたいなと思っています」
――プライベートの面で、最近ハマっているものはありますか。
「裁縫が好きで、最近、編み物を始めようと思って毛糸を買いました。ニットを着るのが好きで、お店でついつい手に取ってしまいます。実際に完成させるまでは難しいと思いますが、編み物にもっとチャレンジしていきたいです」
――料理も自炊派で、和食が得意だと聞きました。
「そうですね。お魚を焼いてとかやっています。時間のある時はもうちょっと作って。料理は息抜きの時間にもなっています」
――映画「小さな恋のうた」では、小さな恋のうたバンドを結成。ギターとボーカルを担当しました。音楽もお好きなのですね。
「自分のアコースティックギターを持っています。音楽はもとから好きで、歌うことはどこでも何もなくてもできるので、昔から何気なく歌っていることも多いですし、カラオケにもよく行きます。バンドの時はドラムにちょっと触って、教えてもらいました。実は今回の『10の秘密』では、瞳が音大を目指している役柄なので、バイオリンにも挑戦しています。いつか1人バンドとか、1人オーケストラとか、そんな役もやってみたい(笑)。音楽自体がすごく好きなので、練習は全然苦ではなく、楽しんでやっています」
――今年1年をどんな年にしたいですか。
「もっと自分を見てもらえる年にしたいです。年々応援してくださる人が増えている実感があるので、もっと応援していただけるように。そうなるには、やっぱり一つ一つの作品で求められていることをしっかりやることが大事だと思っています。それに、SNSの発信も頑張りつつ、時代に対応していきたいです(笑)」
――女優として、さらに磨きをかけたいですね。
「お芝居が好きでやっているので、そこはいい意味で変わらずじゃないですけど、できることをもちろん増やしていきながら、楽しみながらやりたいと思っています」
□山田杏奈(やまだ・あんな)2001年1月8日、埼玉県生まれ。身長159センチ。2018年に映画「ミスミソウ」(内藤瑛亮監督)で初主演を務め、注目を集めた。2019年は「五億円のじんせい」(文晟豪監督)、「小さな恋のうた」(橋本光二郎監督)でヒロインを務め、「屍人荘の殺人」(木村ひさし監督)などに出演。第41回ヨコハマ映画祭で最優秀新人賞受賞。テレビドラマやCMなど幅広い分野で活躍する。1月14日から放送スタートのドラマ「10の秘密」(カンテレ・フジテレビ系、毎週火曜午後9時)に出演する。
スタイリスト:武久真理江
衣装協力:FURFUR