月9「朝顔」に続き「角瓶」CMソングが話題 宇多田ヒカルも絶賛した折坂悠太の“原点”

フジテレビ系ドラマ「監察医 朝顔」の主題歌「朝顔」、挿入歌「鶫(つぐみ)」を歌ったシンガーソングライターの折坂悠太(31)が、サントリー角瓶CMのテーマ曲「ウイスキーが、お好きでしょ」を歌唱し、その歌声が話題になっている。さらに、サントリー天然水のCMでは、2018年発表のアルバム「平成」の収録曲「さびしさ」も抜てきされた。今年3月に発売された5曲入りミニアルバム「朝顔」が好評の折坂が、インタビューに応じた。

インタビューに応じた折坂悠太【写真:荒川祐史】
インタビューに応じた折坂悠太【写真:荒川祐史】

平成生まれのシンガー・ソングライター、フリースクール出身「実家みたいな場所」

 フジテレビ系ドラマ「監察医 朝顔」の主題歌「朝顔」、挿入歌「鶫(つぐみ)」を歌ったシンガーソングライターの折坂悠太(31)が、サントリー角瓶CMのテーマ曲「ウイスキーが、お好きでしょ」を歌唱し、その歌声が話題になっている。さらに、サントリー天然水のCMでは、2018年発表のアルバム「平成」の収録曲「さびしさ」も抜てきされた。今年3月に発売された5曲入りミニアルバム「朝顔」が好評の折坂が、インタビューに応じた。(取材・文=平辻哲也)

 サントリー角瓶CMのテーマ曲「ウイスキーが、お好きでしょ」は、1990年に「サントリークレスト12年」のCMソングとして制作され、SAYURI名義で石川さゆりが歌い、09年からは「サントリー角瓶」のCMソングとして、数々のアーティストが歌い継いできた。ゴスペラーズ(09年)、竹内まりや(10年)、ハナレグミ(11年)、田島貴男(14年)、畠山美由紀/一青窈(15年)、浜崎貴司(16年)、EXILE ATSUSHI(17年)、藤巻亮太/二階堂和美(18年)、クラムボン(19年)とそうそうたる顔ぶれが並ぶ。

「ウイスキーは好きですね(笑)。この曲は歌ったことはないんですけども、ライブでは、自分より少し前にはやった歌謡曲をカバーすることもあるんです。この曲は石川さゆりさんのすごく色っぽい感じ、歌謡曲テイストがすっと入ってきました。ほかにも、いろんな方が歌われていますが、一番印象に残っているのは田島さん。この曲は歌い出し一発勝負だと思いますし、その中でみなさんが、その人だとわかるみたいものを持たれています。その一員になるのはうれしいです」

 曲は折坂の伸びやかな声が心地いいボサノバ調。今年2月末にレコーディングを済ませた。「曲の感じはすぐに決まりました。(コロナ禍の)緊急事態宣言明けとなりますが、久々に仲間と会ってパーとやることはできませんし、ささやかな祝祭かな、と。自分が得意とするボサノバ調を提案したら、クリエーティブ・ディレクターの方も、『そう思っていました』と。ボサノバは持続していく感じで、人間の鼓動にもマッチした音楽だと思ったんです」

 レコーディング後の今年3月上旬にNHKに出演した際は石川さゆりと会う機会もあった。「石川さんが番組でこの曲を歌っていらっしゃったんです。あいさつに伺って、“今度、この曲を歌わせていただきます”と言ったら、『どうぞ自分の歌にしてちょうだい。色んなウイスキーがあっていいと思うわ』と言ってくださって、うれしかったですね」

 平成生まれのシンガー・ソングライター、折坂は幼少期をロシアやイランで過ごし、帰国。小学3年生の時に不登校になったのをきっかけに、千葉県柏市のフリースクールへ。10代後半、バンド活動から音楽を始めた。「フリースクールは特別なカリキュラムのあるわけではなく、ただただ日々を過ごすという感じだったんです。好きなことをしていても、飽きてくるじゃないですか。10代後半に音楽に出会って、仲間とバンドを始めました。幼稚園の頃から、引っ込み思案な部分があった反面、人前に出る行事があると、割り切る人だったんです」

次のページへ (2/4) 2013年からギター弾き語りでライブ活動を開始、独特な伸びやかな声で注目
1 2 3 4
あなたの“気になる”を教えてください