世界タッグ王者コンビに見下された「熱き男」の胸中やいかに? 29年のキャリアを見せつけるか
開幕戦当日の名物となっている開戦を告げるセレモニーも注目
開幕戦当日の名物となっている開戦を告げるセレモニーも、見逃せない。例年、ゴングを待ちきれない選手たちが暴れだす。番外戦が恒例となっている舞台で、青柳と宮原が大谷に、実力行使に打って出かねない。逆に冷静さを装う大谷の我慢が限界を超え、試合開始を前に2人に番外戦のゴングを鳴らすことも考えられる。
青柳、宮原の若い2人は、大谷が新日本ジュニア時代、金本浩二、高岩竜一と結成していた「トンガリコーンズ」のトンガリっぷりを知らないのだろう。尖がった、鋭く激しい試合は背筋が冷たくなることもしばしば。熱さの中に、冷たさも持ち合わせたクールに熱い男なのだ。
団体を代表してCCに参戦した以上、大谷には意地もある。顔では笑っているが「生意気な小僧が何を言うか」と、ハラワタが煮えくり返っているだろう。「老けた」の「ネタ枠だ」の、おちょくっていると痛い目が待っている。
青柳は大谷に勝って「ZERO1のファン、ざまーみろ」とアピールする腹づもりなのか。これまで、勝利したジェイク・リー、ゼウスのファンに「ざまーみろ」と口にしたことがある。興行会社の「お客様は神様です」という概念を根底から覆しかねない驚くべき発言も、同じ団体の選手のファンに向けて、だった。他団体のファンとなれば、また別だ。
小川直也が「新日本プロレスファンの皆様、目を覚まして下さい」と、マイクアピールして大ブーイングを浴びた。日本プロレス史に刻まれるシーンだが、それに匹敵するのは間違いない。
ネタ枠とやゆした大先輩の大谷に勝利し、ZERO1のファンにそこまで言えば、ある意味たいしたもの。もっとも、熱き心の大谷が、やすやすと許すとは到底、思えない。開幕戦のこの一番は、いろいろな意味で実に注目の一戦となった。
いずれにせよ、青柳と宮原が大谷に火をつけたのは間違いない。2年ぶりに春開催となった日本マット界伝統のCCは、のっけから波乱が待っている。