AKB48グループ×ゴスペラーズ黒沢薫 新曲「はじまりの唄」完成までの舞台裏
「はじまりの唄」に掲げた裏テーマは「突き放すくらいのいいパフォーマンスをさせる」
その熱いまなざしは、“対アイドル”ではなく、同じ“アーティスト”へのものだった。メンバーたちの実力や修正力を信じ、リクエストはハイレベルになったが、優しく褒めながら、時には「すごくしっくり来ていたから、置き位置は任せるよ」と判断をゆだねる場面も見受けられた。黒沢氏のなかで、「はじまりの唄」には自分なりの“裏テーマ”があるという。
「アイドルは親しみやすさも大事ですが、今回の楽曲はある意味で(ファンを)突き放すくらいのいいパフォーマンスをさせるというのが裏テーマ。リハーサルも行くし、レコーディングにも全部立ち合います。なんなら歌入れもやるし、歌割もやります。そうすれば、少なくとも自分の中で納得できるいい楽曲ができると思ったので、普段はそこまで関わることはあまりないですが、こだわらせていただきました。AKB48グループはこんな感じでしょとイメージを持っている人たちに対して“いい裏切り”がほしい。こういう歌を歌えるんだぞと。それはできたような気がしています」
3月26日、千葉・舞浜アンフィシアターで行われた「ファイナリストLIVE」のアンコール1曲目で「はじまりの唄」を満を持して初披露。メンバー9人はこれまでのAKB48グループの楽曲にはなかった別次元のハーモニーを奏で、観客からは惜しみない拍手が送られた。終演後、黒沢氏も「僕が勝手に思っていたAKB48グループのイメージを大きく超えるライブでした。本当に歌手の集団だと感じましたし、一番いいパフォーマンスをしてくれたと思います」と称えた。
歌唱力No.1決定戦から誕生した新ユニットでのCD発売が6月30日に決定。“選ばれし9人”にとっても、必ずやプラスになると黒沢氏は語る。
「僕はゴスペラーズというグループの一員で、ソロシンガーでも活動しているので分かるんですが、ユニットとしての歌い方はソロとは全然違います。コンテストである歌唱力No.1決定戦の時は、やはり自分1人の力を認めてほしいと思っているはず。今回、『はじまりの唄』を通して、ユニットで歌うのはどういうことかを学んでくれれば一体感も増すし、自分が所属するグループに戻った時にきっといい方向に作用する。そして、歌い手として聞く人に楽しさを伝えるのも大切な仕事なので、楽しんで歌っていってほしいです」
黒沢氏の熱い思い、そしてメンバーの生きざまが詰まった「はじまりの唄」は、AKB48グループにとって新たな風を吹かせる一曲となるだろう。
第3回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦 ファイナリストLIVE
日時:3/31(水)深夜24時~TBSチャンネル1で初回放送。
内容:2021年3月26日に開催されたスペシャルステージ「ファイナリストLIVE」を独占放送! 「第3回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」を制した池田裕楽(STU48)のほか、野島樺乃(SKE48)、岡田奈々(AKB48/STU48)、秋吉優花(HKT48)、古畑奈和(SKE48)、矢野帆夏(STU48)、三村妃乃(NGT48)、山内鈴蘭(SKE48)のファイナリスト8人と、審査員特別賞の山崎亜美瑠(NMB48)が生演奏をバックに本気で挑む、一夜限りの特別ライブの模様を収録している。
https://www.tbs.co.jp/tbs-ch/item/o2502/