週末の上野公園で花見客が騒乱 桜満開で気の緩み パトロール隊「マスク着けて」

28日昼間の上野公園桜通り。宴会をしている若者グル―プはまったく見かけない 【写真:ENCOUNT編集部】
28日昼間の上野公園桜通り。宴会をしている若者グル―プはまったく見かけない 【写真:ENCOUNT編集部】

雨の日曜日は昼間の人出半減 高齢者は交通規制を支持

 翌28日日曜日午前11時30分。上野公園を再訪した。雨が満開の桜の花びらを濡らしている。昨晩とは打って変わって人出は減り少人数のグループがほとんど。目立つのは30、40代のファミリー層と外国人客だ。中国語、英語、ベトナム語があちこちから聞こえてくる。売店の店員によると、人出は前日昼と比べて半分ほど。花見客はだれもが片側通行を守り穏やかに歩いている。通りがかった70代と80代の女性3人組は「通行規制した方が安心できますね。座り込んでお酒飲んでいる人もいないですし」。別の70代の女性も「少なくともコロナが終わるまではこうした規制を続けた方がいい」と支持した。

 ときおりビールを片手に歩く30~40代ほどの男性を見かけたが、「桜通り」沿いの売店ではビールやチューハイを販売しており、飲酒そのものが禁止されているわけではない。雨で地面が濡れているためか昨晩のように座り込んで盛り上がっている若者グループは皆無だ。20代の男性2人組は「コロナがまだ収まっていないのに夜集まって宴会をするのはちょっとどうかと思います」と昨晩の若者の行動を疑問視した。

 午後1時前。楽しそうに桜の写真を撮っていた大学生カップルは「コロナでずっと家の中にいたので、きょうは外に出ることにしました」(男性)、「ちゃんと社会的距離をとりながら気をつけて楽しめばいいかなと思います」(女性)と笑顔で話した。中学生の息子と散策していた40代の男性は「コロナ感染者がまた増えてきたので気になります」と感染第4波を心配していた。

 27日に確認された430人の感染者の内訳は20代が107人で最も多く、次いで30代が74人、重症化リスクの高い65歳以上は70人だった。緊急事態宣言は解除されたが、感染抑止にはすべての人々の協力が必要だ。若者にどのようなメッセージを送れば伝わるのか。知恵をしぼるべきだろう。

(※本記事については社会的距離に十分注意しながら取材を行いました)

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