週末の上野公園で花見客が騒乱 桜満開で気の緩み パトロール隊「マスク着けて」

空っぽになった冷蔵棚。コンビニではアルコール飲料が飛ぶように売れていた 【写真:ENCOUNT編集部】
空っぽになった冷蔵棚。コンビニではアルコール飲料が飛ぶように売れていた 【写真:ENCOUNT編集部】

「噴水池」周囲は解放区。パトロール隊員の目届かず

 そうこうするうちに、「宴会禁止」の貼り紙がすぐ近くに見える地面に座り込んで宴会を始める若者グループがあちこちに現れ始めた。清水観音堂前で花見客の歩行を誘導していたパトロール隊員の目の前で3、4グループが通りの端に座り込み酒を飲みながら盛り上がっている。70歳くらいのパトロール隊員の手には負えない状態だ。

 酔いが回っている30歳くらいの男女7人組が円陣を作り男性が女性に「写真撮ってやるよ。オレの手がいちばん長い!」と叫んでいる。右側通行を逆行する花見客も現れ始めた。道端のブロックに座っていた20代カップルは「桜も今が最後なので見に来ました。外出自粛要請が出ているのは知っていますが、最近は人がいっぱい出歩いてますし」と申し訳なさそうな表情を浮かべた。

「桜通り」を抜けて東京国立博物館方面に向かうと「噴水池」がある。その周辺にも大勢の若者がアルコール飲料を手に集まっていた。その数約200人。「桜通り」を抜けて移動してきた花見客にとっては解放区だ。パトロール隊員はここまではやってこない。花見客は安心しきった表情で盛り上がっている。「桜通り」との違いは近くに桜の木がない、ということだけだ。男女5人組の中の女性が、酔っているのか「あんまり調子乗ってんじゃないよ!」と金切り声を上げて男性に抱き着いた。あちこちでわき起こる放笑。けたたましいガラガラ音を立てながらスケートボードに乗って猛スピードで走り回る若者グループ。気の緩みが如実で公園全体が騒乱状態になっている。

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