週末の上野公園で花見客が騒乱 桜満開で気の緩み パトロール隊「マスク着けて」
「緊急事態宣言、明けましておめでとうございます」のノリ
「桜通り」の脇道でカップルの男女が立ち止まって飲み物片手に談笑していると、パトロール隊員が近付き「ここで飲まないでね」と声をかけた。立ち退き要請を受けた男性は「テーブルのように使える置物があったので飲んでもいい場所だと思いました。すぐに移動します」と屈託がない。別の男女8人グループは満開の桜の下で「一本締めしましょうか?」とお祝いモード。緊急事態宣言の終了を祝っているとしたら、「宣言、明けましておめでとうございます」といったようなノリだろうか。
同広場の公衆トイレ近くで缶ビールを飲んでいた20代くらいのサラリーマン5人組にもパトロール隊員が近寄り移動を要請した。男性の1人は「きょうはここに皆で集まると決めていました。緊急事態宣言も解除されましたし、屋外ですしね」と会合を優先する姿勢。パトロール隊員がマスクを着けていない男女4人組に「マスクを着けて」と要請すると、男性は「そーですね! コロナですからね!」とおどけてみせた。
大量の花見客流入で社会的距離確保が困難 通行規制が逆効果に
午後9時を過ぎると明らかに人波が増えてきた。公園近くの居酒屋が営業時間短縮の要請を受けて閉店するころあいだ。赤ら顔の若者カップルや男女のグループがどんどん公園内に流入。片側通行規制によって道幅が狭くなっているため、かえって初詣のような大混雑となってしまっている。社会的距離を保つことが困難なほどの密な状態だ。これに比べ反対側の通路を歩いている人はさほど多くない。通行規制が明らかに逆効果となっていた。
公園入口のコンビニ店ではアルコール飲料が飛ぶように売れており、冷蔵棚をのぞくと缶ビールの棚が2段空っぽになっていた。レジ袋に10缶ほどのアルコール飲料を詰め込んで公園内に向かうスーツ姿の男性も。
「桜通り」を歩く多くの若者の手には缶ビールや缶チューハイ。「プシュッ」。歩きながら缶ビールのふたを空けてゴクゴクと飲みだす若者が続出している。当然、マスクはしていないか、アゴにずらしている。飛沫感染のリスクに気が付かないのだろうか。