SNS“初心者”の実力派女優、エゴサーチに興味なし 人々の発言は「受け取る側の自由」
いま注目の女優・瀧内公美(31)が、主演を務めた映画「裏アカ」(加藤卓哉監督、公開中)。思い描いていたものとは違う毎日に行き場のない気持ちを抱え、ふとしたきっかけでSNSの裏アカウントにのめり込んでいく女性の葛藤と再生を描く意欲作だ。瀧内自身はSNSをやった経験はほとんどないが、どこかにいるかもしれない、よりリアルな女性像を演じきった。取材・体験を基にする徹底した役作り、本作を通して伝えたい思い、そして、未来に描く女優像に迫った。今回は後編。
体験や取材を重視して作り込む役作り 主演映画「裏アカ」インタビュー
いま注目の女優・瀧内公美(31)が、主演を務めた映画「裏アカ」(加藤卓哉監督、公開中)。思い描いていたものとは違う毎日に行き場のない気持ちを抱え、ふとしたきっかけでSNSの裏アカウントにのめり込んでいく女性の葛藤と再生を描く意欲作だ。瀧内自身はSNSをやった経験はほとんどないが、どこかにいるかもしれない、よりリアルな女性像を演じきった。取材・体験を基にする徹底した役作り、本作を通して伝えたい思い、そして、未来に描く女優像に迫った。今回は後編。
――体験や取材を重視して作り込んでいく役作りが、瀧内さん流だと感じました。今回も、主人公の役柄に合わせてアパレルで実際に働くなど、徹底されていますね。
「例えば、記者の役をやる時に、何も知らずに現場に入っていくのが私の場合は怖いんです。せりふを言うだけが役者の仕事ではないと思っているので、役柄の仕事はこの時間だとどういう行動をしているのか細かいところにもイメージを膨らませます。記者やライターさんには、ここまでに原稿を上げないといけないといったことはありますよね?」
――あります。このインタビューの前に、必要な原稿を仕上げていました。
「私は、時間の使い方の感覚、そういった部分も体感することを重視しています。表情でもいろいろ見せることもできますが、みんな何かしら行動しながら生きています。人物が動き出して物語が進む。脚本には書かれていない部分を埋める作業をしないといけないことがあるならば、実際に取材をしていかないと見えてこないという風に思うんです。その役柄の職種のリアリティーを少しでも身体に落とし込みたいなと」
――行動やしぐさ、脚本に書かれていない部分も、取材を通して経験するからこそ表現できるということですね。
「脚本に書いてあるけど、本当にそうなのかと疑問に思ったことは、(取材などの場で)直接聞いてチェックしながらやっていくようにしています。ただ知りたいだけなんですけどね。趣味に近い探究心というか。笑」
――本作は、SNS社会へのメッセージを打ち出しています。どのように見てほしいですか?
「何を感じるかは映画を見るお客様の自由なので、SNSを題材にした現代社会を生きるひとりの女性のものがたりであるということだけ私からお伝えいたします。SNSがすべてではない、ということは言い切れるのかなと思っています。いまはSNS全盛の時代ですが、SNSは価値があるようなものに見えて、一過性のものとしてこの熱狂もいつか醒めるときが来るのではないかと私の中で改めて感じました。真知子を通してみなさまにも何か感じとっていただけたらうれしいですね」
――実際に、ネット社会で瀧内さんはどのようにSNSと接していきますか?
「なるべく関わらないように(笑)。でも、大変そうですよね、そういうことにとらわれていると。ネットサーフィンをやって、SNSを見ていって、次に行って次に行って……と止まらなくなり、それを『沼』というのですかね」