役作りのカギは“寅さん”と“クレヨンしんちゃん”!? 個性派女優・伊藤沙莉が声優挑戦

個性派女優として評価を高める伊藤沙莉(25)が、テレビアニメの声優に初挑戦する。NHK総合テレビで2020年1月5日深夜から放送がスタートする話題作「映像研には手を出すな!」(原作:大童澄瞳、監督:湯浅政明)だ。3人の女子高校生が、アニメ制作を通して“最強の世界”を創り上げていくストーリーで、主人公の浅草みどり役を演じる。自身の「コンプレックスの一つだった」という独特な声は、“寅さん”と“クレヨンしんちゃん”をイメージしているという役作りと吹き込みによって、作品に躍動感を与えている。新境地となる声優の魅力や来年の抱負について聞いた。

人気度を高めている女優の伊藤沙莉【写真:山口比佐夫】
人気度を高めている女優の伊藤沙莉【写真:山口比佐夫】

アニメ「映像研には手を出すな!」伊藤沙莉ロングインタビュー 2020年1月5日深夜 NHK総合で放送スタート

 個性派女優として評価を高める伊藤沙莉(25)が、テレビアニメの声優に初挑戦する。NHK総合テレビで2020年1月5日深夜から放送がスタートする話題作「映像研には手を出すな!」(原作:大童澄瞳、監督:湯浅政明)だ。3人の女子高校生が、アニメ制作を通して“最強の世界”を創り上げていくストーリーで、主人公の浅草みどり役を演じる。自身の「コンプレックスの一つだった」という独特な声は、“寅さん”と“クレヨンしんちゃん”をイメージしているという役作りと吹き込みによって、作品に躍動感を与えている。新境地となる声優の魅力や来年の抱負について聞いた。

――本作は、浅草に同級生の金森さやか(声優:田村睦心)と、水崎ツバメ(声優:松岡美里)を加えた“電撃3人娘”の物語です。声優初挑戦はいかがでしたか。

「最初お話をいただいた時は、経験も全然ないので本当にいいのかなという感じでした。不安が毎日頭にあるような感覚でしたが、収録が始まってからは、田村さんと松岡さんがアドリブの入れ方などを優しく教えてくださるのもあって、気持ちが楽になりました。3歩も5歩も引いている場合じゃないなと思い、楽しんでできました」

――“電撃3人娘”はそれぞれが個性的です。どのような印象ですか。

「(劇中の呼称である)浅草氏は、原作マンガを読んでいても、アニメを観ていても、とにかくかわいいなと思います。声を入れるうえでよく言われるのが、『いつも何かを演じている』というキャラクター像です。何かをかぶっていないと、勇気が出ずにうまく思いが伝えられないので、個性的な言い回しを使う浅草氏に共感できます」

――3人の関係性については。

「浅草氏=監督、金森氏=プロデューサー、水崎氏=アニメーターです。お仕事みたいなことを部活でやっているので、ものづくりをする人たちのいいバランスだと思っています。この関係性だからこそ前に進んでいる、このグルーヴが心地いいなと思っています」

――湯浅監督や木村絵理子・音響監督からの指導を含めて、早口のべらんめえ調で話すような浅草のキャラクターづくりはどのように取り組んでいますか。

「浅草氏はしゃべり方が独特で、木村さんからは『ここは寅さんっぽく』という言葉がよく出てきます。ほかには、江戸っ子、西部劇、バナナの叩き売りなど、わかりやすく、掴みやすいディレクションをいただいています。寅さんという言葉が一つ出るだけで、行けばいい方向に進める道標ですね。かなり助けていただきました」

――伊藤さんの声はハスキーで、いい意味で重量感があるように感じます。印象的な声は浅草氏にぴったりですね。

「自分の声については、ずっとコンプレックスの一つでした。自分にとって不利なものの一つと思ってこの仕事をしてきたので。でも、この声じゃなかったら、浅草氏に巡り合えなかっただろうと思っています。最近は、意外と悪くない声なのかもと思えるようになってきました」

――声の役作りの面では、ご自身のアニメ体験も影響しているそうで。

「『クレヨンしんちゃん』が小さい頃から大好きで、声の抑揚については、しんちゃんの影響を受けているかもしれないです。感覚的に染みついているので、焦っている時に最初に頭に浮かんでくるのは、しんちゃんですね。あの回のあのシーンかな、みたいに」

「映像研には手を出すな!」ビジュアル (C)2020大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会
「映像研には手を出すな!」ビジュアル (C)2020大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会

SEの音は声優陣で担当…「100パーセントの力で『どっかーん』とか言っています」

――実写の演技と声優の演技の違い、面白さはどんなところですか。

「お芝居に関しては、基本的には引き算でやっていますが、アニメは足し算なのかなと感じています。自分の中でこれは大げさだろうと思いながらやることに意外とOKが出ます。常に声を張って取り組んでいます。アニメの中で3人がものづくりをしていて、それを目の前にして私たちもものづくりをしている。幸せだなと思っています」

――3人の空想シーンが見どころの一つです。SEの音は伊藤さんら声優陣で担当し、初回アフレコでは原作者の大童さん、湯浅監督が直接アドバイスをしたとお聞きしました。

「3人の妄想の部分では、SEを私たちの声でやらせてもらっています。演出についてはSEのほうが多いかもというぐらい、湯浅監督はこだわっています。原作マンガにも独特な擬音がすごく書いてあって、それを音にするのが難しくもあり、毎回すごく楽しい。SEを入れている時が一番汗をかきます。100パーセントの力で『どっかーん』とか言っているので、注目してほしいですね」

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