「ちびまる子ちゃん」キートン山田が“後任”へメッセージ「潔く別の方だとわかるように」
国民的アニメ「ちびまる子ちゃん」(フジテレビ系、毎週日曜、午後6時)では、28日の放送をもってナレーション担当のキートン山田が卒業する。
31年の長きにわたりナレーションを務めてきたキートン山田
国民的アニメ「ちびまる子ちゃん」(フジテレビ系、毎週日曜、午後6時)では、28日の放送をもってナレーション担当のキートン山田が卒業する。
1990年1月7日に放送をスタートした同アニメは今年で放送32年目を迎えた。主人公・まる子とその家族、友達とのほのぼのとした日常生活を楽しく、面白く、時に切なく描く心温まるストーリーが、放送開始以来、子供から大人まで世代を超えて今もなお愛され続けている。
そんな「ちびまる子ちゃん」に放送開始当時から出演していたナレーション担当のキートンが28日の放送で番組を卒業する。28日の放送では、春にふさわしい桜にまつわる、まる子と家族をとりまくいつも通りのにぎやかでほのぼのとした内容のお話を届ける。話の最後には、これまで31年もの長きにわたって、ナレーションを担当したキートンを送り出す、ちょっとしたサプライズも準備しているとのこと。キートンの小気味良いツッコミと、まる子たちみんなを見守る温かいナレーションを聞くことができる最後の新作エピソードとなる。
キートンのインタビューは下記の通り。
――今回のお話は、いつものナレーションとはちょっと違った登場でした。工夫したことは?
「もともとナレーションよりせりふが好きなんですが、ナレーション以外のせりふだったので、たった2言でしたが、難しかったです。でもナレーションでは出せない感情が出せて、役者に戻ったようでうれしかったです」
――31年という長い期間、演じてこられましたが、1番の思い出といえば?
「さくらさんが亡くなったことだね。実はさくらさんが亡くなった時には、ぼくは心の中で、“75歳になったら『ちびまる子ちゃん』を卒業させてもらう”って決めていたんですが、まださくらさんに言える段階ではなくて。できれば今日、この時にさくらさんに言いたかったな。それが1番残念なことかな。実はさくらさんのお別れ会で、さくらさんの生い立ちをナレーションで語ったんです。TARAKOさんと2人で。でも感謝するにはすでに遅く、一言ありがとうと言いたかった」
――ナレーション以外で演じてみたかったちびまる子ちゃんのキャラクターは?
「ほとんど小学生の役だから、ないですが、変なおじさんとかやりたいよね、そういうの好きだから。ナレーションって声とか抑揚とか幅が狭くて、自分の間を作りづらい。尺にぴたっと入れなければいけないし、自分を捨てないとできないし、“思い”とかをいれづらいので苦手意識がずっとありました。だから、なんとかしようという思いで満足できなかったことが長く続けられた秘訣(ひけつ)かな」
――新しくナレーションを担当する方へ一言。
「どなたかわかりませんが、その人の世界で良いと思う。その方がぼくも楽かな。潔く別の方だとわかるようにやってくれたら良いなと思いますね。“かわりましたよ!”っていう方が良いとぼくは思う。これからは『ちびまる子ちゃん』をお客さんとして見続けていきます」
――ファンのみなさんへの気持ちを一言。
「ファンの皆さんもですし、番組は大勢のスタッフで作られていて、特に『ちびまる子ちゃん』は同じ番組を31年間続ける上で、大勢のスタッフと関わってきたので、そのみなさん方に感謝したい。こんな長寿番組に出会うのは一生に1度あるかないかですよね。たくさんあるナレーションのお仕事の中で1番気を遣うのはこの『ちびまる子ちゃん』なんです。せりふの分量は少ないけど、勢いでできないから、体調とかも含めて1番気を使う。この年までやってこられたことに、スタッフのみなさんに感謝です」