綾瀬はるか、壮絶アクションで魅了 映画「奥様は、取り扱い注意」で伝統武術が炸裂

女優の綾瀬はるかが、主演の劇場版「奥様は、取り扱い注意」(佐藤東弥監督、全国東宝系にて公開中)で目を見張るアクションシーンを披露している。

映画「奥様は、取り扱い注意」で目を見張るアクションシーンを披露する綾瀬はるか【写真:(C)2020映画「奥様は、取り扱い注意」製作委員会】
映画「奥様は、取り扱い注意」で目を見張るアクションシーンを披露する綾瀬はるか【写真:(C)2020映画「奥様は、取り扱い注意」製作委員会】

2017年10月期主演ドラマの映画化、連ドラをダイナミックにスケールアップ

 女優の綾瀬はるかが、主演の劇場版「奥様は、取り扱い注意」(佐藤東弥監督、全国東宝系にて公開中)で目を見張るアクションシーンを披露している。

 元特殊工作員だった過去を持つ専業主婦・伊佐山菜美(綾瀬)と、現役の公安警察であり菜美を監視する優しい夫・伊佐山勇輝(西島秀俊)。それぞれ桜井久実と裕司に名前が変わり、美しい海辺の街・珠海市で新しい生活を始めていた。実は半年前、あるできごとがきっかけで菜美は記憶喪失になっていた……。

 2017年10月クールに放送された同名連続ドラマは、銃声がとどろく衝撃なラストを迎えた。もともとこの連ドラは、原案・脚本を務めた金城一紀氏が綾瀬の魅力と身体能力を見込み企画されたもの。劇場版は公開まで3年の準備期間を設け、新たなキャスト、スタッフによって送り出された。

 格闘シーンは本格的だ。綾瀬演じる久実の動きはFBIの訓練にも導入されている東南アジアの伝統武術・カリとプンチャック・シラットをベースにしている。猫のようなすばしこさで走り回り、ひじやひざ、蹴りで敵を次々と倒す。久実に復讐を誓う大男のロシア諜報員との格闘では、目まぐるしい移動と相手の体重を利用した返し技を繰り出すなど、息をのむ迫力だ。

 そう書くとこの映画はアクション一色のように思えるが、すさまじいパワーを炸裂させるアクションとは対照的な清楚でかわいらしい“奥様”像にも魅了される。夫の愛を受けて穏やかで静かな日々を送る久実。自身の身に何が起こったのかは思い出せないが、夫がいつもそばにいてくれる。自宅で料理を作ったり、自転車で買い物に行ったり、海を見つめていたり、テーブルでスケッチを描いたり……。こうした“奥様”のチャーミングな姿を綾瀬は愛おしいまでのたたずまいで表現している。どこからが久実でどこからが綾瀬なのか。そんな境界さえ超えてしまっているのだ。

 クライマックスはどんでん返しの連続で、綾瀬の“怪演”に観客もいつしかダマされていく。驚愕のラストまで楽しむためには、劇中のあちこちに張られた伏線をしっかり覚えておくべきだ。壮絶アクション(動)と穏やかな奥様像(静)。そのどちらにも観客は目を奪われることだろう。綾瀬の魅力満載の作品となった。

映画「奥様は、取り扱い注意」ストーリー

 久実と裕司夫婦が新生活を送る珠海市は、新エネルギー源「メタンハイドレート」の発掘に活気づいていたが、美しい海を守ろうとする開発反対派と、市長をはじめとする推進派の争いが日に日に激化し暴力事件に発展。公安は新エネルギー源開発の裏でロシアと結託した国家レベルの陰謀が潜んでいることを突き止めた。そんな中、過去の因縁と国家に追われ、久実は大きな事件へと巻き込まれてゆく。「私がなりたかったのは、あなたの奥様。協力者じゃない」。史上最強の夫婦喧嘩の結末は……。共演は鈴木浩介、岡田健史、前田敦子、鶴見辰吾、六平直政、佐野史郎、檀れい、小日向文世ほか。

次のページへ (2/2) 【写真】映画「奥様は、取り扱い注意」のワンシーン
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