チェッカーズの封印を解いた藤井フミヤ…29年ぶりに「ギザギザハート」歌いたいと恩師に相談していた
チェッカーズの“育ての親”が語る「藤井フミヤ」
――ここからは、チェッカーズの“育ての親”としてデビュー前からフミヤさんをよく知る作曲家の芹澤廣明さんと作詞家の売野雅勇さんにも加わっていただきます。最初に売野さん、改めてチェッカーズから38年が経った今、アーティスト「藤井フミヤ」についての印象を聞かせてください。
売野「彼は最初から歌がうまくて声が良くて、心をつかむような響くものを持っていた歌手だったんです。それが“方法論”としてアイドルとして売れたっていうことが、振り返ってみると、フミヤくんの長い音楽家としてのキャリアに実はすごくプラスだったんです。最初はちょっと抵抗があったかもしれない。でも長いスパンで見ると、最初それで勢いをつけてスターになって、そこから20世紀を代表する大シンガーになった。そこから現在までマイペースと言うか自分の好きなように音楽を作っている。音楽家として非常にうらやましいというか、理想的なコースじゃないですか」
――なるほど
売野「音楽家として大事なのは“音楽性”。それから“スター性”もあるじゃないですか。その“スター性”っていうのは、なかなか身に付けられない。でもフミヤくんの場合はもともと持っている“スター性”に磨きがかかっているというふうに思いますね」
――ありがとうございます。芹澤さんはいかがですか?
芹澤「普通は歌手になろうとか、バンドをやろうとか言っても1曲も売れない人がいっぱいいるわけです。ところが彼の場合は、デビューした時から売れた。ヒット曲もいっぱいあるじゃないですか。そういう意味では幸せな歌手生活ですよね。だから死ぬまで歌っていられるんじゃないかな(笑)」
フミヤ「ありがとうございます。もちろん死ぬまで歌いますよ(笑)」
芹澤「90になってもね。『涙のリクエスト』を歌っていられるんじゃない?」
一同(笑)
――フミヤさんが、芹澤さんや売野さんから学んだこと。吸収したことは?
フミヤ「自分で作詞をはじめたとき、最初はやっぱり売野さんの真似というか、そういう時代はありましたね。あと、芹澤先生のあの時代のマイナーコードのビートのある8ビートの感じっていうのがもう、DNAとして自分の体の中に入っていて。そのマイナーの8ビートの曲を歌うと、どの曲もなんかしっくり来ちゃうんですよね。そういうのはお二人から植え付けられた感じがします」
――チェッカーズを歌ってみて、今改めて感じたことは?
フミヤ「やっぱり、一生歌えるような宝物のような歌をあの時代にいただいたんだなって。そう感じましたね」
芹澤「去年、フミヤから歌いたいっていう相談をもらったんです。やっぱりお客さんが聞きたいんじゃないのかなって思いました。今回こういう形になって聞けたこと僕も嬉しいですよ」
――番組のキャッチコピーには「2度と見られない」と書いてありました。また歌の収録後、フミヤさんは「これが最初で最後」とあいさつで話していたのが印象的でした。
フミヤ「そうですね。もちろんコンサートでは歌っていきますが、やっぱり90分間、1人のアーティストでここまで歌に特化した音楽番組なんて今の時代ありえないですよ。だからもう自分の中では最初で最後ですね。もし今後あるとしたら僕が亡くなった後かな。スペシャル番組みたいな(笑)。それくらいすべてを出し切りましたから、生きてる間はもうないんじゃないかなって。そう思いますね」
□藤井フミヤ 1962年7月11日、福岡県生まれ。83年、チェッカーズとしてデビュー。93年以降、ソロアーティストとして活動。ミリオンセラーとなった「TRUE LOVE」や「Another Orion」などは、幅広い世代から長く親しまれ続けている。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期していた全国ツアー「藤井フミヤ コンサートツアー 2020-2021 “ACTION”」が3月20日愛知県・日本特殊陶業市民会館フォレストホールから再開。
藤井フミヤオフィシャルサイト
URL:https://www.fumiyafujii.net/
YouTubeチェンネル
URL:https://www.youtube.com/channel/UCcIm-YLtzgsZFLFr36oQzDA?view_as=subscriber
「激レア! 藤井フミヤ ギザギザハートからTRUE LOVE!」
放送:NHK BSプレミアム
日程:3月27日(土)午後9時00分~午後10時29分
出演 藤井フミヤ
ゲスト 藤井尚之
時々ナビゲーター時々歌い手 木梨憲武
スペシャルゲスト 大地真央、芹澤廣明 売野雅勇
司会 廣瀬智美アナウンサー