俳優の神尾楓珠が、映画「彼女が好きなものは」で主演を務めることが決定した。草野翔吾が監督・脚本を務め、2021年秋の公開予定となっている。

　同作は、ゲイであることを隠しながら生活する男子高校生とBL好きの女子同級生との恋愛を通じ、世間にはびこる“ふつう”という価値観とのギャップに向き合う男女の姿を描く。

　小説家・浅原ナオトの「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」（角川文庫）が原作。19年4月にはNHKで「腐女子、うっかりゲイに告る。」のタイトルでドラマ化もされ、大きな反響を呼んだ。

　映画「樹海村」やドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」に出演した神尾にとって、今作は映画初主演。「異性を愛したい」「家庭を築きたい」と世間で“ふつう”と言われる幸福を手にしたいと願いながらも、自分らしさとの狭間で葛藤する主人公の男子高校生・安藤純を繊細に演じる。

　以下、神尾楓珠のコメント。

「この作品への出演が決まったときに、まず最初に思ったことは、この作品はとても真摯に向き合わなければならない、というものでした。自身が演じることになる安藤純というキャラクターを深く理解し、決して軽く捉えてはいけないということを肝に銘じながら、この役を演じました。僕にとっては本作が映画初主演作となりますが、撮影時にはそのことにとらわれることなく、作品のことをただただ考える毎日でした。草野監督とは、作品に対しての共通認識を持つことができ、現場ではお互いが委縮することなく、言いたいことを素直に言える環境を作ってくださったことに感謝しております。この作品を観て、『自分らしさ』とは何か、『自分らしく生きること』とは何か。そういったことを考えるきっかけになってくれれば、うれしく思います」