オタクYouTuberあくにゃんのジャニーズJr.愛さく裂 人気メンに共通するものとは
卒論でもアイドルについて執筆「『負』すらもウリにできる人が強い」
――立教大学在学時には、「なぜ人は他人に熱狂するのか」というテーマで卒論を書いたと伺いました。
「最初は違うテーマで書きたいと言っていたんですが、先生に『アイドル好きなんだからアイドルで書きなさい』『私の授業もアイドルの現場に行くために休んでいたのに、何のために授業を休んだの!』と言われて、アイドルについて書くことにしました(笑)。
卒論を書いている中で、アイドルの素晴らしさや人を惹きつけるところには、『マイナスな面を出す』という要素が大いに関係あると思うようになりました。それが一番うまいのが元HKT48の指原莉乃さん。マイナスも全部さらけだしたりしていますよね。ゆうこす(菅本裕子)さんも、謝罪文をインスタのストーリーに載せてみんなの目につくようにしたり、『負』すらもウリにできる人が強い。
僕は大学在学中にアナウンサー試験を10局以上受けて、全部落ちてしまいました。そのことをずっと隠していたんですけど、卒論を書いていくうちに、『隠さずに世に出したほうが受け入れられるな』と思って。『こんだけ頑張っていたんだ』という頑張りの可視化をするためにも公表しました」
――あくにゃんさんご自身も大手事務所で俳優として活動していた経験をお持ちですが、「推し」に対してどう向き合っていますか。
「『こういう顔になりたい』という憧れで見ているときもありましたが、今は自分に近い人を応援しています。自分が芸能界をフェードアウトしたからこそ、自分に似た子に成功してほしい。僕は“代理戦争”と呼んでいるんですけど、代わりに戦ってもらっているイメージです。でも、自分に似てる人を推しに選んだらやっぱり辞めてしまいました(笑)」
ジャニーズJr.もデジタルシフトの時代「広告やテレビ業界に対してすごく訴えているな」
――最近、音楽番組などでジャニーズJr.が単独で出演したり、バックダンサーに留まらない活動が増えています。
「良くも悪くも増えているなという印象があります。ただ単純にビジネス的に見ると、あれだけのグループを全員食べさせていけているのはすごいし、ジャニーズ以外の事務所だったら無理だろうなと思います。Jr.の子でも大手企業のCMが来たり、YouTubeでコラボ案件が来たり、曲を出せば何百万再生されたり……。全ユニットに対してそういうことができているジャニーズはすごいなと思います」
――ジャニーズJr.がYouTubeを始めた当時は話題になりましたが、インパクトは大きかったですか?
「想像ができなかったこともあってか、最初はあまりピンと来ていませんでした。一方で赤坂や新橋のような、いわゆる広告代理店に近い駅に広告を出していることは戦略的でしたね。若い子たちに対して原宿とかにも出すけど、広告やテレビ業界に対してすごく訴えているなという印象を持ちました。
デジタルシフトは興味深く見ていましたが、突拍子もないことをやっているかと言われたらそうでもないのかなと。でもある種“ダサいところ”もジャニーズのいいところだから、あんまりキメなくてもいいのかな。そこはジレンマですね」
――「HiHi Jets」に所属する井上瑞稀くん担当のあくにゃんさんですが、推すに至った経緯を教えてください。
「最初は友だちが『かわいい』と言っていて、そこから寝取ったのが事実なのですが(笑)。ある日、井上瑞稀くんが練習中にミスをしてシンバルに頭を挟まれてしまうという出来事があって。痛そうで泣きそうなのに、我慢して誰も責めずに飲み込んでいる姿を見て、当時まだ若いのに、プロの意地を感じて、『いい子だな』と思ったところから入りました」
――人気があるジャニーズJr.はその時代ごとに一定数いるイメージです。人気があるメンバーに共通しているものは何でしょうか。
「顔がいいから人気になるというより、“人気だから人気になる”傾向が男性アイドルは強いと思っています。AKBのような女性グループであれば、男性ファンから『不人気な子を推したい!』と感じますが、ジャニーズでは『人気な子が人気』。だから、ジャニーズJr.大賞(アイドル雑誌で毎年開催されている部門別ファン投票型ランキング)も必ず1人の子が集中して複数部門でトップになっちゃう。今までだったら山P(山下智久)さんとか赤西仁さんのように、実力もさることながら、人気とされているからさらに人気を得られるようになるという印象です」