実は陽性のほうが隔離期間が短い? 妻が感染、夫は陰性…自宅療養の2週間

厚生労働省によると、新型コロナウイルス感染者のうち、軽症か無症状のため自宅療養する人は2月17日時点で全国5756人。一時のピークは過ぎたとはいえ明日は我が身という状況の中、万が一のためにどんな備えをすればいいのか。

コロナで妻が陽性に…(写真はイメージ)【写真:写真AC】
コロナで妻が陽性に…(写真はイメージ)【写真:写真AC】

同居する妻がコロナ感染、自身は陰性のため居住空間を分けて生活

 厚生労働省によると、新型コロナウイルス感染者のうち、軽症か無症状のため自宅療養する人は2月17日時点で全国5756人。一時のピークは過ぎたとはいえ明日は我が身という状況の中、万が一のためにどんな備えをすればいいのか。

 夫婦で都内の1LDKに暮らす加藤隆介さん(31=仮名)の妻に異変が現われたのは2月第1週のこと。37.5度の発熱と倦怠感を訴え、2日間自宅で経過を観察。回復傾向にあったものの、念のため3日目に近所のクリニックでPCR検査を受診すると、翌日に陽性が判明した。

「保健所から妻、続けて私に連絡があり、『濃厚接触者にあたるため、無料でPCR検査を受けられます。任意ですので強制ではありません。どうしますか?』と。もちろん、その日のうちに検査を受けました。検査は予約制で、検査場に滞在したのはトータルでも1分くらい。防護服を着た数人の職員の方以外は誰にも会うことなく、かなり異様な雰囲気でした。妻とは症状が出たあとも3日間食事や寝室を共にしていましたが、自分は結果的には陰性でした」

 意外と知られていないのが、濃厚接触者は陽性が出たほうが隔離期間が短いということだ。

「保健所からは、陽性の場合は家庭内で部屋を分ける必要はなく、最後に妻の発熱があった日から2人そろって10日間の自宅療養。陰性だと潜伏期間も含め、妻が10日間、自分は部屋を分けた日から2週間の自宅待機と説明されました。うちは後者なので、仕方なく物置からキャンプ用の寝袋を出して、自分は床で寝ていました」

都から段ボール詰めされた食料物資が届いたのは療養開始から5日が経ってから

 加藤さんの家は1階に寝室、浴室、トイレがあり、2階がリビングダイニングという間取りの1LDK。小さな折り畳みのテーブルを寝室に運び、妻にはそこで食事を摂ってもらったという。部屋に入る際にはお互いにマスクを付け、会話は極力スマホ越しで行った。都から食料物資が届いたのは療養開始から5日が経ってから。密封された3箱の段ボールに、とても2週間では食べきれないほどの食料が届いたという。

「カップラーメン、パックご飯、レトルト食品、缶詰、スナック菓子のほか、嗜好品ではチョコレートやコーヒー、水は2リットルのペットボトル6本。あとはなぜか水で戻すタイプの海藻サラダが10袋に、ドレッシングやマヨネーズまでありました。家計的には大助かりですが、届くまでに日数がかかるのと、療養食とは言い難いジャンクなものばかりで、スーパーには何度か行かざるを得ませんでした」

 隔離から2週間以上経ち、すでに夫婦とも通常の生活に戻っているが、妻は現在もまだPCR検査で陽性が出続けているという。

「体内にウイルスが残っていても、他人にはうつる可能性はないということらしいですが……。妻は今も味覚異常は治っていません。寝室にこもりっきりということもあって、食欲も目に見えて落ちました。何より一番大変だったのが、離れて暮らす田舎の両親をなだめすかすこと。まだ若く軽症の部類には入るんでしょうが、夫婦ともになかなか大変な2週間でしたね」

 居住空間を分けられるような住宅事情、食料品等の備蓄、そして何より精神面での負担。誰がいつ感染してもおかしくない状況の中、万が一のためにもさまざまな備えが必要となりそうだ。

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