いま世界で称賛されている日本人女子レスラー「カブキ・ウォリアーズ」ってなんだ?
スターダムからWWEに移籍したカイリ・セインがアスカと合流
その後も「ロウ」で快進撃を続け、連勝記録こそ「レッスルマニア34」でのシャーロット・フレアー戦でストップさせられたものの、その後も「ロウ」と「スマックダウン」の両ブランドの最前線で活躍。2019年4月にNXTより昇格したカイリ・セインとタッグを結成し、現在上映中の映画「ファイティング・ファミリー」でもおなじみのペイジを代理人とし、カブキ・ウォリアーズを名乗ると、WWE女子タッグ戦線に殴り込みをかけた。
2019年10月6日「ヘル・イン・ア・セル」にてアレクサ・ブリス(28)&ニッキー・クロス(30)組を破りWWE女子タッグ王座を初戴冠。その翌日、カブキ・ウォリアーズはロウ女子王者ベッキー・リンチとスマックダウン女子王者シャーロット・フレアーのタッグと対戦し勝利を収めた。
ベッキーとシャーロットは現在におけるWWE女子戦線のツートップ。この2人と日本人が対等に戦うカードが組まれること自体極めて異例だったが、勝利し自信を深めたアスカとカイリは改めてベッキーとシャーロットの再戦を12月15日の「TLC」のメインイベントで行った。
日本人初の女子タッグ王者がビッグマッチのメインイベントのリングに上がるのは、過去を振り返っても快挙と断言できる。
世界中が注目のビッグマッチを制した「カブキ・ウォリアーズ」
実際、この4名による「TLC」はリングよりも場外での闘いが中心となる大荒れの展開となった。各選手テーブル、ラダー、チェアを駆使する中、カイリがリング下から持ち出した消化器を噴射するなど、初めてとは思えない適応能力を発揮。元々アスカもカイリもハードコアテイストの試合を得意としてきたわけではないが、WWEで生き残るにはこういったサバイバル術が必須なのだ。
最後に試合を決めたのはカブキ・ウォリアーズ。25分57秒の激闘を制し、女子タッグ王座防衛に成功した。壮絶な戦いの代償か、カイリは翌12月16日の「ロウ」を欠場。対戦したベッキーは翌日にツイッターで“You truly are a warrior(あなたは本物の戦士だ)”とカイリを称賛。「TLC」の女子タッグ王座戦は死闘を演じた者同士が認め合う結果となった。
かつてステファニー・マクマホンが宣言した「ディーバ革命」。WWEに所属する女子は「ディーバ」と称されていたが、男子同様「スーパースター」と呼称を変え、従来あった男子選手のお飾り的な存在ではなく、“女による女の戦い”を見せるべく、男子同様の試合形式を行うなど、WWEにおける女子戦線の風景を大きく変えた。
プロレス界最大の祭典「レッスルマニア」もシャーロット・フレアーとベッキー・リンチによるメインイベントだったが、2019年を締めくくる「TLC」のメインも女子スーパースターによる戦いだった。そこに日本人女子タッグ「カブキ・ウォリアーズ」のアスカとカイリ・セインがいることは何よりも誇りと思うばかりである。
(日付はすべて現地時間)