プロレス界の「お騒がせ男」の今 高額当選金のその後と沖縄遠征【連載vol.29】

プロレス界の「お騒がせ男」ランズエンドの首領・崔領二が「地の果てからの新たな航海」に臨む熱い思いを激白した。

ボクシングの元WBA世界スーパーライト級王者・平仲明信氏(左)と崔領二、右は大会協力者の福島氏【撮影:柴田惣一】
ボクシングの元WBA世界スーパーライト級王者・平仲明信氏(左)と崔領二、右は大会協力者の福島氏【撮影:柴田惣一】

毎週金曜午後8時更新「柴田惣一のプロレスワンダーランド」

 プロレス界の「お騒がせ男」ランズエンドの首領・崔領二が「地の果てからの新たな航海」に臨む熱い思いを激白した。

 約1年半ぶりの沖縄・平仲ボクシングスクールジム大会を2月17日に開催したランズエンド。全3試合、13選手がジムの中を暴れまわった。崔が「毎年、一度と言わず何回でも戻ってきます」と締めくくると、大きな拍手が巻き起こった。

 コロナ禍の沖縄県では、独自の緊急事態宣言が発出されており、大半の飲食店は午後8時に閉店するなど、厳しい状況にある。

 何度か現地を視察してきた崔は「大変なことは分かっている。でも、だからと言って、引き下がったら、前へ進めない。対策を万全にして、チャリティー興行として実現した」と、熟慮の上の決断だったことを強調。1人千円の入場料は全額、福祉施設に寄付している。

 沖縄ではプロ野球球団がキャンプを張っているが、無観客。選手も外出を控えており「野球キャンプの沖縄」は、ほとんど感じられない。「娯楽が少なくなっている。少しでも楽しんでもらえたのでは」と、拍手を繰り返してくれたファンの気持ちを思いやった。

 設立から6年、一貫するファンへの想いとは裏腹に、ランズエンドは内部崩壊の危機に陥っていた。昨年9月、会社で共同購入していた宝くじが当選。2000万円近い高額当選金をゲットしたことで“事件メーカー”ウエザイルが独り占めを画策するなど、分配を巡って不協和音が続出していた。

 それでもランズエンドカフェのスタート、倉庫業など、新たな事業を展開することで、メンバーが同じ方向を向き始めた。その1つが、1月の「コレガプロレス」の発進だった。

 大阪市福島区大開にオープンした「コレガスタジアム」で、毎週月曜日から土曜日、週6試合を開催するザ・ボディガーに全面協力しており、ランズエンドの選手が交代でレギュラー参戦している。

 超大型LEDビジョンが設置され、VIP席も用意された。ボディガーの「若い人にプロレスを知ってもらいたい。USJや吉本のようにプロレスもいつもやっている、と定着させたい。大阪名物になれば」というプランに崔も共感。コレガスタジアムのリングやさまざまな設備にランズエンドグループが尽力している。

 崔は「無謀だ、なんてしり込みして逃げてしまっては、何も生まれない。時間が経ってみなければ、だれにも成功なのか失敗なのか、分からない。思いは実現しなくては」ときっぱり。その言葉は熱い限り。

「ケンカ崔ボーグ」と言われる崔。ケンカ上等、賛否両論上等のスタンスを貫き、数々の激しい言動で、行く先々に波紋を巻き起こす「お騒がせ男」の一挙手一投足から目が離せない。

次のページへ (2/2) 【写真】「何回でも戻ってきます!」大盛況となった沖縄大会を締めた崔領二(右)と選手たち、実際の写真
1 2
あなたの“気になる”を教えてください