ケンドー・カシン WWEで多忙の日々も充実 サイモン氏「どんどんカシンの評価が上がっている」
世界最大のプロレス団体、WWEのNXTブランドでコーチを務める"悪魔仮面"ケンドー・カシンの評価が急上昇していることが分かった。
8月に専属コーチ契約を締結 週6勤務でNXTを指導
世界最大のプロレス団体、WWEのNXTブランドでコーチを務める”悪魔仮面”ケンドー・カシンの評価が急上昇していることが分かった。
盟友のサイモン・ケリー氏が「ロス道場で結果を出してたから、外国人選手を育てるのがうまい。実際、WWEに入って、今ビギナークラスの担当をやっているらしいんですけど、最初は出番がなかった。週2~3回ぐらいしかコーチやっていなかったらしい。でも、その中に、しょっぱい選手と言ったら失礼だけど、ほかのコーチが以前教えたけど誰も結果を出せなかった子たちが何人かいたらしいんですよ。その人たちの担当になって、カシンがちょっとアドバイスしてやったら、そこそこのいい試合をやったらしい。そういうので結果を出していったら、今はコーチが週6回になって、ほぼ休みがないらしい。どんどんカシンの評価が上がっている感じ」と明かした。
サイモン氏は昨年9月、米フロリダ州オーランドのWWEパフォーマンスセンターを訪れ、トリプルH、ウィリアム・リーガルと会談した。その際、WWE側から話のついでにコーチ探しの相談を受け、その場で適材として提示したのがカシンだった。カシンには無断の行動だったが、サイモン氏は新日本プロレス・ロス道場コーチ時代のカシンの実績をリストアップ。プロフィールの送付とともに「カシンの教え子でWWEで活躍しているのはダニエル・ブライアンやプリンス・デヴィット、”ザ・マシンガン”カール・アンダーソン、サモア・ジョー。あと女子のNXTのコーチの一番上のセラっていう子も実際にはカシンが教えた」などと説明した。これがきっかけでWWEの目に留まり、今年2月、カシンは渡米し、短期間パフォーマンスセンターでゲストコーチを務めた。そして、8月には正式に専属コーチ契約を結ぶことになった。
ただ、WWEは新日本とは異なる世界観を持つプロレス団体だ。その企業文化は、海外経験豊富なカシンであっても慣れないものだった。「最初の頃は『暇だ、暇だ』と言っていました。チャンスを与えられてないわけじゃないけど、慣れるまであんまり仕事を振ってくれないとかあったらしい」。勤勉な一面も定評のあるカシンはオンとオフの切り替えに戸惑いを見せた。「最初はちょっとした時間があれば、道場に行っていたらしい。お休みしては悪いという気持ちがあったみたい」とサイモン氏は振り返った。
紆余曲折を経て、現場を”理解”したカシンは、今や若手を育てるどころか、多くのレスラーから慕われる存在に。「WWEの場合は結果なので。きっかけを作ってあげることはできても、本人が結果を出さないとどうにもならない世界。カシンはちゃんと結果を出して、いい感じらしいですね」とサイモン氏は目を細めた。
NXTを取り巻く状況にも変化が起きている。当初、NXTは2大ブランドであるロウ、スマックダウンの傘下に控える二軍の位置付けだった。ところが、秋からテレビ放送が決定し「ほぼ一軍と同じ並び」の扱いになった。育成にかけられる時間や環境は様変わりし、カシンの役割と責任は一気に拡大した。「選手たちが余計に育てられないというか、いきなりぶっつけ本番みたいな感じ。小さいハウスショーでテレビ撮りじゃないところもいっぱいあるらしいんですけど、十分な育成が難しい感じになっている。実験場がそのまま(一軍に)上がっちゃった」。カシンの手腕がますます発揮される状況となった。
なお、サイモン氏はカシンのWWEデビューの可能性について「今のところは全くないけど、チャンスがあったらあの人だってやりたがるでしょうね」と答えた。