宇崎竜童、愛妻・阿木耀子と約束した“人生の最期”「一緒に死ねたらいいね」
ミュージシャンの宇崎竜童が、柄本佑主演の映画「痛くない死に方」(2月20日公開、高橋伴明監督)に出演した。同作は、在宅医療のスペシャリストで、尼崎市で在宅医として活躍する長尾和宏氏のベストセラーをモチーフにした在宅医と患者と家族の物語。末期の肝臓がん患者役を演じた宇崎が望む理想の“死に方”、葬儀とは?
柄本佑主演の映画「痛くない死に方」で末期の肝臓がん患者役
ミュージシャンの宇崎竜童が、柄本佑主演の映画「痛くない死に方」(2月20日公開、高橋伴明監督)に出演した。同作は、在宅医療のスペシャリストで、尼崎市で在宅医として活躍する長尾和宏氏のベストセラーをモチーフにした在宅医と患者と家族の物語。末期の肝臓がん患者役を演じた宇崎が望む理想の“死に方”、葬儀とは?(取材・文=平辻哲也)
昨年はグリコ森永事件をモチーフにした小栗旬&星野源主演の映画「罪の声」でもキーパーソンを演じた宇崎。本作は代表作「TATTOO<刺青>あり」(1982年)の高橋伴明監督作品だ。「一昨年春、プロデューサーから『台本を読んで、よかったら、出ていただきたい』と言われたんだけど、読まないでOK。伴明さんの映画は『TATTOO<刺青>あり』以来、いくつかお呼びがあって、ちょっとしか出ないものとか、いろいろあったんですけど全部OK。この年齢だから、裸になるような役はイヤだと言ったけども、本を読んだら、お尻出すところがあった」と笑って明かす。
問題のシーンは、在宅医療での一幕。余貴美子演じる看護師役がお尻を洗う際にお尻を見られてしまい、「汚いお尻でごめんね」とはにかんで言うもの。「一番自分がしたくない役は二枚目とラブシーンがあるもの。この歳でラブシーンはないだろうと思ったら、オシメを取り替えるシーンでお尻を出すことになっちゃった(笑)。伴明さんには、『TATTOO<刺青>あり』でも、初めてベッドシーンをやらされて、前貼りを貼らされたんだけどね。スクリーンには映っていないけど、余さんには完全にお尻を見られてしまいましたね。あそこは芝居じゃないですよ」。
演じたのは、映画の後半に登場する末期の肝臓がん患者。若い時は学生運動にも参加し、刑務所にも入ったことのある昔気質の職人、本多彰。長年付き添った妻(大谷直子)と静かに暮らし、時に川柳を詠むのが趣味。悩める在宅医(柄本佑)にも多くの示唆を与えていくという存在だ。「伴明さんの脚本は、何もしなくても、書かれている通りに、セリフや川柳を読めば、それで十分成立する感じでしたね」と振り返る。
宇崎と言えば、妻で作詞家・エッセイストの阿木燿子とのおしどり夫婦ぶりが有名だが、劇中では、大谷との息のあった演技を見せている。「初めてだったけども、大谷さんはすごく気を遣ってくれて、自分から距離を縮めてくれる。控え室でも、いろんな話をしてくれるので、家族のような感じになれた。本当はセリフを練習しておきたいんだけどなって、時もあったんだけど、話が面白いんだよね」。
在宅医療・終末医療についてはどんなことを感じているか。「在宅医の存在は、脚本を読むまで知らなかった。自分の親も自宅で亡くなったけど、義父と義母は病院、友達、同級生、バンドメンバーはほとんどが病院で亡くなっている。いっぱい管がつけられて、痛がっていたし、苦しそうだったし、本人が意識ないのに、生かしていて意味があるのかなと思っていましたね。今でもちゃんと家で死のうと思えば、死ねるんだと分かったので、俺は家で死にたいなと思いましたね」。