小池都知事 大会ボランティア辞退者に「戻ってきてほしい」と期待
東京都の小池百合子知事が12日午後2時から都庁で定例会見を開き、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視ととれる発言を受け、ボランティア辞退者が相次いでいることについて発言した。
辞退者は全国で500人超 聖火リレーランナーの辞退者も 収拾に追われる
東京都の小池百合子知事が12日午後2時から都庁で定例会見を開き、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視ととれる発言を受け、ボランティア辞退者が相次いでいることについて発言した。
小池知事は、ボランティア辞退者から「もう1度やりたい」との申し出があった場合の対応を聞かれると「それはぜひやっていただきたい。多くの方が一緒にやることでモチベーションが上がる」と辞退者に“カムバック”を呼びかけた。
続けて、小池知事はテニスの全豪オープンで2度目の優勝を狙う大坂なおみ選手が勝ち上がっていることに触れ、「観客はどうなのか関心を持って見ている」と大会運営の方法を東京五輪の参考にする姿勢を表明。そのうえで「もう1回やりましょうよ、という流れになっていくことを私からも期待しています」と辞退者に再考を促した。東京都の都市ボランティア登録者は、昨年8月時点で3万486人。
ボランティア辞退者については、各自治体が採用して観客らの駅、空港の案内などをする都市ボランティアで150人以上、主に選手村や競技会場でサポートする大会ボランティアで390人以上、合わせて全国で500人以上が辞退を申し出ている。
さらに、聖火ランナーについてもお笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳が、新型コロナウイルスがどんな状況でも五輪を開催するとの森会長発言に納得がいなかいとして辞退するなど波紋が広がっている。この日の小池都知事の発言は、これ以上のボランティア辞退者を食い止める狙いがあるものとみられる。
小池知事は、辞意を固めた東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の後任についても言及。森会長が後任として就任を要請した五輪選手村村長で元日本サッカー協会会長の川淵三郎氏が一転して受諾を見送りする方針を固めたことと合わせて質問されると、「どう決まり、誰なのかという手続きの透明性を世界が注目していることを忘れてはいけない」と世界からの厳しい視線を意識。後任にふさわしい人物としては「組織委で決めることだと思いますが、多様性と調和を発信してその先頭に立てる人」とした。