ラーメン「一蘭」、初カップ麺が完成 20年以上前から研究開始 “企業秘密”を凝縮

株式会社一蘭は15日から、カップ麺「一蘭 とんこつ」を全国で順次発売する。カップ麺を発売するのは、福岡に本社を置く天然とんこつラーメン専門店「一蘭」史上初。純粋にラーメンの味を楽しんでほしいという理由から具材は入れず、麺・スープ・赤い秘伝のたれが作り出すおいしさを凝縮した一杯だ。

こだわり抜いたカップ麺「一蘭 とんこつ」
こだわり抜いたカップ麺「一蘭 とんこつ」

こだわって“具材なし” カップ麺「一蘭 とんこつ」全国発売へ

 株式会社一蘭は15日から、カップ麺「一蘭 とんこつ」を全国で順次発売する。カップ麺を発売するのは、福岡に本社を置く天然とんこつラーメン専門店「一蘭」史上初。純粋にラーメンの味を楽しんでほしいという理由から具材は入れず、麺・スープ・赤い秘伝のたれが作り出すおいしさを凝縮した一杯だ。

 一蘭が、ラーメンに関わる技術の粋を集め作り上げた、今回のカップ麺。価格は490円(税込)だ。こだわりのポイント。まずは、麺。一蘭の麺は、ストレートで小麦の風味が感じられる細麺であることが特徴で、これをカップ麺で表現すべく特注ノンフライ麺を使用。麺の太さや小麦の配合、加水率などを何度も微調整した結果、まるで一蘭特製生麺のような食感を生み出した。

 スープは、とんこつの旨味を最大限に引き出しつつも、特有の臭みをしっかり抑えている。粉末と液体の2種類を合わせることで、奥行きのある風味やなめらかな口当たりを実現。スープに含まれる特製香味油が、さらに味わい深さを際立たせる。そして、秘伝のたれ。これまでの「赤い秘伝のたれ」の調合技術を生かし、唐辛子を基本に特別調合。単なる辛さだけではなく、旨味や甘味も感じられる。新開発のものだ。

 20年以上前から、客だけでなく数多くの企業から共同開発の話を受けていたという一蘭。しかし、こだわりを形にできる技術の実現が難しく、満足のいく味わいのカップ麺を作ることはできなかった。試行錯誤を繰り返す日々で、完成まで困難を極めたという。

 麺・スープ・秘伝のたれ、どれも一切妥協はできない。麺についても、一般的にとんこつラーメンのカップ麺では、歯応えが強調されがちだが、最初にでき上がった麺はバサバサしており粉感が非常に強いものだった。福岡らしい麺ではあるが、決して一蘭らしくはない……。「一蘭らしい麺とは」と、改めて自社の麺の特長を見つめ直し、歯応えの中に潜むなめらかさ、しっとり感や麺の溶け方などを多角的に調整。“一蘭らしい麺”の開発に成功したのだ。

 次に、一蘭の真髄であるとんこつスープ。口当たりや豊かな風味の演出が重要だ。粉末だけならとんこつスープを舌で感じることができるが、鼻腔に香りが残りにくい、液体だけではとんこつ特有の微細な舌触りやとろみの表現が難しい。研究を重ねた結果、最終的に「粉末も液体も、両方いれる」と決断。とんこつ特有の風味を感じながらも香り高いスープができあがった。

 麺やスープに絡む「秘伝のたれ」。当初は、従来から長く愛されている「一蘭発祥・赤い秘伝のたれ」を採用したいと考えていたが、その製法は門外不出であり、世界で4人しか知らない最重要機密。レシピがないため開発は特に難航したが、さまざまな調味料の調合を重ねた結果、たれ専属職人もお墨付きの「秘伝のたれ」の実現に至った。今回のカップ麺には、一蘭のこだわりだけでなく、“企業秘密”がたっぷり詰まっている。

次のページへ (2/2) 【写真】完成した「一蘭」カップ麺の別カット
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