小池都知事、森会長の女性蔑視発言に「日本社会全体の問題」と提起 会長職への見解は明言回避
東京都の小池百合子知事が5日、都庁で行われた定例会見に出席。女性蔑視発言が問題となっている東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長に対し「日本全体の問題」との見解を示した。
森会長から直に電話を受けたことを明かす
東京都の小池百合子知事が5日、都庁で行われた定例会見に出席。女性蔑視発言が問題となっている東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長に対し「日本全体の問題」との見解を示した。
小池都知事は「先程森会長からお電話をいただきました。本当に申し訳ないとおっしゃっていた」と明かし、「日本社会全体の問題だと思っている。他の国では、これほど多くの背広で黒々としているところは少ない。私が知事になったときも男性が多かったが、今、全国の市議で3割が女性。あらためてあの評議会を見て何を感じたのか、何も感じていないのか」と問題提起。
その上で、「本来男女とは半々であるべき。皆さんの会社だってそう。そういったことをあらためて見てください。女性もつかみ取っていく努力をしないと。いろいろな問題のひとつ」と社会全体の問題だと話した。
また、森会長は適任なのかという趣旨の記者の質問に対し、小池都知事は「開催地としてどのように実現に向けやっていくかということ。IOC(国際オリンピック委員会)は非常に歴史ある団体で、IOCとの交渉も必要。誰が適任かというと、(森会長は)これまで交渉してきた立場でもある。粛々とした準備に努めていきたいと、これに尽きます」と述べた。さらに、容認するということか、との問いかけには、「大会開催に向けてどのようにやっていくか、これに尽きると思います」と明言を避けた。
森会長は今月3日に行われた日本オリンピック委員会の評議員会で、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」「女性の優れているところですが、競争意識が強い。誰か手を挙げると『自分も言わないといけない』と思うんでしょうね」「女性を増やす場合、発言の時間をある程度は規制しておかないと、なかなか終わらないので困る」「組織委員会にも女性はいるが、みんなわきまえておられる」などと発言した。
これらの発言に「女性蔑視」との批判が集まり、森会長は4日に記者会見を開き謝罪していた。