秋山準に不敵通告 飯伏幸太の背中を追いかける男が最高潮の調整【連載vol.25】
DDTのKOーD無差別級王者・遠藤哲哉が「KOーD王者が最高だ! と言い直させる」と秋山準に迫った。
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DDTのKOーD無差別級王者・遠藤哲哉が「KOーD王者が最高だ! と言い直させる」と秋山準に迫った。
2・14カルッツかわさき大会で秋山の挑戦を受けV4戦に臨む遠藤。DDTをプロレス界のNo.1にするのが、最終目標とあってKOーD王座をIWGP、GHCと並べた秋山に「KOーDが一番」と訂正させるという。
全日本プロレス、ノアで大活躍し、DDTのD王GP覇者となったリビングレジェンド・秋山も、遠藤にしてみれば「ひねくれていて性格の悪い人」に過ぎない。もとより「王道」と言われても「スゴイですね」とリスペクトこそしているが、それ以上の想いはない。遠藤が憧れていたのは、新日本プロレスであり飯伏幸太なのだ。
飯伏はIWGP2冠王者となった。「プロレス入りのきっかけの人が、ツイッターのトレンド入りして、素晴らしいと思う。でも、今は悔しくて仕方ない。嫉妬している」ときっぱり。四角いリングという同じ土俵に立ち、今の遠藤はDDTの先頭を走っている。もはや憧れではなく、いつかは超えなければいけない目標なのだ。
「KOーDを日本一いや世界一のベルトにして、腰に巻き続ける。そして王者のまま引退したい」という野望を公言している。「東京ドームの長いロードを最後に入場し、ベルトを守って、ゲートで特効のドカン! で締めたい」と、そのシーンもシミュレーション済みだ。
かつての遠藤はプレッシャーに弱かった。あれこれ考えすぎる傾向があった。秋山がケガで欠場し、2・14決戦まで前哨戦が限られたことで、以前なら不安を感じたはず。ところが今回は「カード変更になってしまった。楽しみにしていたファンに申し訳ない」と捉えている。
DDTサウナ部の面々はサウナで熱波を浴びて整えているが、遠藤は日焼けマシーンの中で、精神統一。心身ともに最高潮に調整している成果は大きい。
田中将斗からベルトを奪い、防衛戦を重ねたことで自信がついた。「竹下(幸之介)は僕にとっては過去の人だから」とズバリ。ライバルなどいない。自分自身との闘いに打ち勝てば、秋山はもちろん誰にも負ける気がしない。
決戦当日に向け、集中している。「あと2、3キロ体重を絞り込みベストで、リングにあがる」と調整も上々。筋トレでも、スクワット、デッドリフトで自己ベストをマークしている。
磨き上げた肉体を完全ヌード写真集「TETSUYA IN THE NAKED」(ジーオーティーから1月26日に発行)で披露した。「前張りも何もなし。フルヌードで撮影した。ブラブラさせた」と、楽しげに振り返る。
「秋山選手の娘さんはカエルがお好きということ。僕は虫だけど」と、不穏な発言まで飛び出した。勝利を確実にするために、何やら仕掛けるのかも知れない。
宮城県白石市の観光大使も拝命し、勢いに乗る遠藤。死角はどこを探して見当たらない。