STU48今村美月の“自分色”を探す挑戦 演技経験で芽生えた「秀でたもの」へのこだわり

今村(中央)はもともとミュージカル好きで、芝居にも意欲を見せる【写真:(C)STU】
今村(中央)はもともとミュージカル好きで、芝居にも意欲を見せる【写真:(C)STU】

初舞台で初主演を務め、船上劇場公演「Selfish amity's」ではリーダー役を熱演

 ファンタジーを題材にした物語で、衣装や見た目も現代とは異なる難しい設定を演じた今村。SEPT主宰の杉浦タカオ氏は「衣装に身を包んで出てきた姿は、異世界なのに透明感のある想像した主役像そのもの、いや、それ以上でした」と、“初共演”の印象を語る。

「稽古参加初日には当然のようにせりふもすべて入っていて、ご自身のポテンシャルの高さにあぐらをかかず、日に日に役をものにしてがむしゃらに演出を吸収していくさまは圧巻でした。持ち前の負けん気の強さ、ストイックさはみんなの心を動かし、初舞台・初主演で見事に初座長という重責をもやり切って、やれることは全部やっていこうという思いの強さに、驚きとともに、新たな女優としての芽吹きを感じました」

 その後、19年11月には博多座開場20周年記念AKB48グループ特別公演 第1部「仁義なき戦い~彼女(おんな)たちの死闘篇~」で矢野修司(曽根晴美)役を担当。20年11月に初日公演を迎えた、SEPTプロデュースのSTU48メンバーによる舞台「Selfish amity’s」(通称セルアミ)では、物語のリーダー役であるアンを演じた。「人一倍チームのことを考えている。気を使いすぎてポテンシャルを生かしきれていないが、本来はなんでもできるオールラウンダー」という役設定が実際の今村の姿とリンクする部分があり、反響を呼んだ。

演技でも「みんなを引っ張っていきたい」と強い思いをのぞかせる【写真:(C)STU】
演技でも「みんなを引っ張っていきたい」と強い思いをのぞかせる【写真:(C)STU】

「『アンとイメージが重なるね』と言われることは多かったです。脚本を手掛けてくださった杉浦タカオさんは、普段STU48のそばにいらっしゃる方ではないですけど、私たちに寄り添って、メンバーのキャラクターや雰囲気をくんでストーリーを書いてくださったのかなと感じました。実際、私はどちらかと言うとみんなに合わせていくタイプ。たしかにそこは似ているかもしれません。もっとシャキっとしないといけませんね(笑)」

 セルアミ公演では、1期生・ドラフト3期生組から10人(石田千穂・石田みなみ・今村・岩田陽菜・沖侑果・甲斐心愛・門脇・瀧野由美子・谷口茉妃菜・薮下楓)、2期研究生から10人(池田裕楽・尾崎世里花・川又あん奈・川又優菜・工藤理子・田中美帆・田村菜月・原田清花・南有梨菜・立仙百佳)がオーディションを経てキャストとして選ばれ、組み合わせを入れ替えた公演も行われた。STU48号 船上劇場での初舞台とあって、各メンバーの強い意欲を今村も肌で感じていたという。

「セルアミ公演に出演して、『お芝居をしたい』というメンバーが増えました。STU48には個性があって、お芝居もうまい子がたくさんいます。私も以前から同じ思いを持ってきて、主演を経験させていただいた立場として、みんなを引っ張っていきたいと考えていましたけど、『自分はできているのかな……』という思いもありました」

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