石原さとみの夫役、向井理が考える“理想の夫像”とは「自然体でいられたらいいな」
私生活では子どものために離乳食を作ることも「単純に楽しいんです」
私生活でも、休みの日は子どものために離乳食を作ることも。まさに絵に描いたような理想的な夫だが、「単純に楽しいんですよ。料理は自分の好きなものを日々作っているだけなんです。家事もやりますけど、分担はしていないですね。理想の夫像って言われれば、料理、洗濯、家事と、なんでもこなす人がいいんでしょうけども、自分の理想と、相手の理想は必ずしも一緒ではないので、そういうことを考えず、自然体でいられたらいいなとは思いますね」
ドラマのテーマは命。「ただ、そういう状況にならない限り、本当にありがたさは、すり抜けてしまっているような感じがします。僕も日々、心の中で周りの人に感謝しているつもりですけど、それでも忘れてしまいがち。僕は極度な花粉症なんですが、症状が出た時には当たり前の日常に感謝したりするんですよね」と我が身を振り返る。
今年のコロナ禍では、多くの俳優が影響を受けたが、向井も予定していた舞台が中止になった。「仕事が数か月なく、いわゆる自粛の生活ですね。外出するのは1日に1回、子どもと公園に行くくらい。本当に何の変化もなかったですけども、こんなに長く家に居たこともなかったので、掃除をしたり、断捨離したり……。ほとんどの人たちが経験しているような過ごし方をしていました」。
仕事が再開されたのは6月下旬だった。「その時はいろんな感情がこみ上げて、泣きそうになりましたね。当たり前のように朝起きて、衣装を着て、メイクして、お芝居して、帰ってくる。そんな生活を毎日のように繰り返していたのが、こんな簡単に崩れるんだ。すごいショックでしたし、今までの当たり前が実はすごいことだったんだなと思いました。お芝居することがなくなって、結構怖かったですし、ちゃんと感覚が戻れるのか。セリフを覚えられるのか。いろんなことが忘れかけていたんです。それを取り戻すのはそんな時間はかからなかったですけど、不安はありました」と正直な気持ちを吐露する。
ドラマの題名にちなみ、「人生最高の贈りもの」は? と聞くと、「そう言われると、結構壮大なタイトルですね(笑)。平たく言えば、生きているってことじゃないですかね。生きていれば、ご飯も食べられるし、お酒も飲めるし、こういう状況(コロナ禍)じゃなければ、旅行もできる。生きていることが全てのベースですから。そういう意味では両親にはすごく感謝しています」。ドラマでは当たり前の日常を大切に生きようとするヒロイン、そんな彼女を支える夫の姿が描かれる。
□向井理(むかい・おさむ)1982年2月7日生まれ、神奈川県出身。2006年にTBS系「白夜行」で俳優デビュー。10年、NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」でヒロインの夫役で注目を集める。11年、映画「僕たちは世界を変えることができない。」で初主演。近作にはTBS系「きみが心に棲みついた」、WOWOW「アキラとあきら」、映画「いつまた、君と?何日君再来?」、舞台 劇団☆新感線「髑髏城の七人」など。趣味は酒、料理。特技・サッカー。