「RIZIN.26」大会総括 シバターは“革新”「天心VS武尊」夢の対決にも熱視線
格闘家はシバターに学べ!?
「シバターも(本来であれば)、実力的には格闘家としてRIZINに上がれる実力ではなかったのかなあと。ここまでのキャリアはね。でも、もっと色物的になるのかなあと思いながらも、真摯にこのルールの中でHIROYAという本物の格闘家と体重差のある中で闘った姿を見ると、実験的にやった側面はありますけど、少しこのYouTuberとのコラボっていうのも、続けていけたらいいと思っていますし、世界のトレンドにうまく我々もアジャストするというか、取り入れて、これから2021年も企画を進めていきたい」
そういって含みを持たせながら話していたが、大会終了後に改めてその真意を問うと、以下のような言葉が帰ってきた。
「今回のシバターのチャレンジは、YouTuberに特化したことじゃなくて、ホントに他のジャンルで、しっかり地位とか名誉とかファンとかフォロワーを持っている人たちで、格闘技の腕に覚えがある人は、出してみたいですけどね。今、RIZINに出ている格闘家の中でも、中心に上がっていく選手たちの中でも、シバターの試合から学ぶべきものはあったと思う。やっぱり“見せる”っていう意識というか、リング上にいる中であれをやろうこれをやろうと思っても、たいがいやれないんです」
「トリケラトプス拳ひとつ、天心がやるのだって、なかなかやれないんです。でもシバターはやりたいと思ったことを全部やって帰って行った。あれは大したもんです」
事実、ロープに飛んだロープワークも、16年の大みそかのRIZINでギャビ・ガルシアを相手に参戦を果たした堀田由美子以来のこと。
「あれも、なかなか勇気がいる行動なんだよ。でも、そういうことなんだよ。そこは幻想を求めなくちゃいけないし、ファンの期待以上のことを見せてナンボなんだよ。もしかしたら勝ち負けよりもそのことのほうが価値が高いのかもしれないけど、久しぶりに面白いことができて、ちょっとスカッとしているところはあるんですけどね」
シバターに関しては、同じく朝倉未来も榊原CEOと似たような物言いをしていた。
「採用して正解だった。格闘技、ファンが増えたんじゃないですかね、今日で。あんなに真剣な姿を見て、感動した人もいると思うし、プロレス的要素も含めつつ、HIROYA選手に勝つなんてすごいことなんで。今日のMVPじゃないですか?」
いずれにせよ、日本格闘技がこの後も地上波という「お茶の間」に届けるビジネスである限り、今後も「縦軸」以上に「横軸」の必要性はさけばれていく。
さらに言うなら、2021年のRIZINは、3月14日に東京ドームで開催することを発表したが、ここにどれだけの「縦軸」と「横軸」を投入することができるのか。そして天心VS武尊はいつ、どこで実現するのか。
そのためにまず注目されるのは、今大会の地上波中継の視聴率だが、例えこの数字が予想を下回ったとしても、本質的な格闘技への視線や熱は必ずや高まっていく。それを念頭に置きながら信じた道を突き進んでもらいたい。