【RIZIN.26】“超人”ミノワマンが衝撃の秒殺負け 体重差32キロ、車いすの痛々しい姿に

大みそか「RIZIN.26」(31日、さいたまスーパーアリーナ)で、この日が116戦目のMMA戦に出陣したミノワマンは、デビュー2戦目のスダリオ剛(23)に秒殺負けを喫した(文◎“Show”大谷泰顕)

スダリオ剛に秒殺負けを喫したミノワマン【写真:“Show”大谷泰顕】
スダリオ剛に秒殺負けを喫したミノワマン【写真:“Show”大谷泰顕】

スダリオのローキック5発に沈む

 大みそか「RIZIN.26」(31日、さいたまスーパーアリーナ)で、この日が116戦目のMMA戦に出陣したミノワマンは、デビュー2戦目のスダリオ剛(23)に秒殺負けを喫した(文◎“Show”大谷泰顕)

 衝撃の第1試合だった。前代未聞のコロナ禍に見舞われた2020年、その大みそかの第1試合ではミノワマンVSスダリオ剛の1戦である。

「とにかく1発をもらえない」

 戦前のミノワマンはこう話していたが、結果的にはその言葉通りになってしまった。

 結果から言えば、大相撲の蹴手繰り(けたぐり)をほうふつとさせるスダリオのカーフキックが爆発! 特に4発目のそれを食らった瞬間にミノワマンはその場に倒れ込む。追い討ち気味のローキックを放ったスダリオ。3分19秒、TKO(レフェリーストップ/グラウンドパンチ)となった。

 スダリオがさく裂させた攻撃はフィニッシュを除けば合計5発のローキックのみ。

 過去にはミルコ・クロコップやボブ・サップ、チェ・ホンマンといった体格差のある相手とも激闘を展開したきたミノワマンを、たったそれだけの攻撃でスダリオは仕留めてしまった。

「日本人のヘビー級を1人ずつ潰していく」

 リング上でマイクを使ってそうアピールしたスダリオ。

 プレスルームでのインタビュースペースでは「次なる標的は?」といった質問に、「誰がやりたいっていうのはおこがましい。コロナの間は日本にいる選手を1人ずつやっていきたい。来年は面白い試合をやっていきたいのでよろしくお願いします」と若さを感じさせる清々しいコメントを放った。

 これで日本人ヘビー級戦線に、待望の“軸”ができたと言っていいだろう。

 一方、ほとんど何もできずにリングを降りたミノワマンはというと、プレスルームにも車いす姿で現れ、見るからに痛々しい様子。

「もっと前に出てくると思った」

 そう話し、スダリオの戦略に天を仰いだ。

 しかも、今後について聞かれると、「分かんないです。現時点では分からない……」と口を開くのがやっとのようだ。

 とはいえ、この1戦にプロレスラーらしいショートタイツで挑み、日本の国旗をマント状に羽織っての独特の入場シーンも、やはり古くから格闘技を見てきた者にとってはグッとくる名場面である。

 考えてみればスダリオが114.65キロなのに対し、ミノワマン82.7キロ。

 つまり体重差、まさかの32キロになる!!

 確かに経験値では本大会に参戦した誰よりも勝っているとはいえ、年齢的なもの、そして何より体重差を考えると恐ろしい試合になった。

 それでもこの1戦のオファーを即答したというミノワマン。

 それはミノワマンがデビューした24年前の格闘技界が、無差別級全盛というより、それしか存在しなかったからだ。

 要は、この世界の浮き沈みや喜怒哀楽を最も知っている男の1人がミノワマンになる。

 であるなら、まだまだミノワマンにはここで終わってほしくない。

 結果から言えば、まさかの衝撃度を導き出し、無事に第1試合の役割を果たすことに成功したのは、そこにミノワマンがいたからだ。

 第1試合がはじけると、それ以降の試合に連鎖する。

 それだけに第1試合の重要性を、少なくともミノワマンは分かっていた。

 今宵、そんな第1試合が叩き出した“衝撃”はメインまで連鎖していくに違いない。

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