プロレス界の2021年は巻き返しの年 エースたちが再び頂点に返り咲く【連載vol.22】
新年あけましておめでとうございます。コロナ禍はまだまだ続きそうですが、2021年は間違いなく20年とは違います。今年も一緒にプロレスを楽しみましょう!
毎週金曜午後8時更新「柴田惣一のプロレスワンダーランド」
新年あけましておめでとうございます。コロナ禍はまだまだ続きそうですが、2021年は間違いなく20年とは違います。今年も一緒にプロレスを楽しみましょう!
21年のプロレス界は丑年にふさわしく、牛歩のごとく、どっしりと構え、20年に力を充電した戦士が、巻き返し大暴れする年になりそうだ。
新日本プロレスの「レインメーカー」オカダ・カズチカは20年1・5東京ドーム大会でIWGPヘビー級王座から陥落して以来、主役の座を譲ってしまった。ただし、その存在感は唯一無二。テレビ番組に登場する機会が増え、プロレス界の「顔」の座は不動だ。
とはいえ、リング上でも光り輝くレインメーカーの勇姿を披露してほしいところ。ベルトが腰にないオカダの姿は、いつまでたっても見慣れない。
全日本プロレスではジェイク・リーに刮目したい。3冠王座に何度も王手をかけながら、20年も、とうとう獲得できずに終わってしまった。
イケメンに長身、王道をジェイク流に昇華したファイトスタイル……もはや完全無欠のエース候補だが、なかなか「候補」が取れない。実はジェイクの誕生日会をかねた20年の新年会で「今年中に3冠王座を取らなかったら、もうガッカリ」と、面と向かって言った放ったファンがいる。
ジェイクは「エッ」と一瞬、固まっていたが「頑張ります」と決意を新たにしてくれた……21年中の「3冠王者ジェイク・リー」の誕生を信じている。
ノアは清宮海斗のGHCヘビー級王者復活に注目したい。19年は若き王者として君臨。「新しい景色を見せる」と新風を呼び込んだ。20年はベルトとは無縁だったが、かつての棚橋弘至のごときオーラは健在。登場しただけで、視線を集めるスター性は不変だ。
3大王座に追いつけ、追い越せと勢いに乗るDDTのKO-D王座を巡る抗争も見逃せない。遠藤哲哉と秋山準の世代闘争も気になるが、20年、やはり秋山に連敗し迷路にはまりこんでしまった竹下幸之介だ。
「王道」秋山に「DDTの看板」をかけて連敗したショックは大きいはず。それでもオカダに匹敵する運動能力、体に恵まれた逸材である。「俺のやってきたことに無駄は一切なかった」と言い切れるようになったとき、竹下のリベンジが始まるはずだ。
レスラーは負けて強くなる。負け知らずでは本当の強さは身につかない。悔しさ、悲しさ、屈辱、焦り……いろいろな感情をリング上で爆発させてほしい。
21年のプロレス界。20年の悔しさをコヤシにした男たちが立ち上がる。