羽田雄一郎議員、コロナで急死に地元衝撃 糖尿病の基礎疾患に後援会幹部「甘党だった」
立憲民主党の羽田雄一郎参院議員が新型コロナウイルス感染により東京都内で死亡したことを受け、地元の長野県上田市に衝撃が走っている。現職の国会議員がコロナ感染症で死亡したのは初めてなだけに関係者は動揺を隠せない。
「アジアの国は仲良くしなければ」が政治理念
立憲民主党の羽田雄一郎参院議員が新型コロナウイルス感染により東京都内で27日に死亡したことを受け、地元の長野県上田市に衝撃が走っている。現職の国会議員がコロナ感染症で死亡したのは初めてなだけに関係者は動揺を隠せない。
羽田議員の地元後援会幹部は29日、「ENCOUNT」の取材に応じ「とにかく威張ったところがなく誰にでも腰の低い人だった。それが裏目に出たのでは」と悔しがる。28日に会見した立憲民主党の福山哲郎幹事長によると、羽田議員は24日深夜に38.6度の発熱があり、27日に民間の病院でPCR検査を受ける予定だった。この後援会幹部は「異変を感じたのは23日だと聞きました。それから4日後になってようやくPCR検査なんて遅すぎます。医療機関や医療従事者に迷惑をかけてはいけないと考えて、病院や保健所に『自分は国会議員だ』と強く言わなかったのではないか。今回もそういう人柄の良さが出たんだと思います」と語った。
福山幹事長によると、羽田議員には糖尿病や脂質異常症、高血圧などの基礎疾患があったというが、同幹部は「お酒は一滴も飲めなかった。甘党でまんじゅう好きだったから多少、糖尿病はあったかもしれませんが、薬を服用するほどではなかった」と証言した。
羽田議員は父、羽田孜元首相の秘書を経て1999年の参院補欠選挙で長野選挙区から初当選。以降、当選5回で2012年には旧民主党の野田佳彦内閣で国交相として初入閣を果たした。故人の思い出について同幹部は「お酒は飲めないけど、飲み会の席には足しげく顔を出してましたね。ウーロン茶を飲みながら楽しそうに話してました。私たちも雄一郎さんが来る飲み会は楽しみでしたね。政界の裏話をよく話してくれました。『今度、蓮舫さんと飲むんだけど、来る?』って誘われたこともありましたよ。立民の所属でしたが、自民党の塩崎恭久議員とも仲が良くて、頭がガチガチな人ではなかった。選挙の際には『お金がないんだよ』とこぼすこともあって、お金にはクリーンな人だったと思います」と明かし、「『アジアの国々は仲良くすべきだ』と国会で発言したことを地元の後援会でよく話してました」と羽田議員の信条を振り返っていた。
上田市の後援会の事務所には記帳台が設けられ、地元関係者が故人の写真に手を合わせていたが、「新型コロナウイルス感染症の感染予防の為、事務所スタッフによる対応は控えさせていただきます」との張り紙が出されるなどひっそりしている。通夜や葬儀は行わず、後日「お別れの会」を開く予定。