LINEスタンプから見たコロナ禍の2020年 「大丈夫?」など相手を気遣う表現が人気に
現代人のコミュニケーションツールとして、欠かせない存在となった「LINE」。2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、登校や出社することもままならず、リモートでコミュニケーションを図ることが増えるなど生活様式が一変した。その影響もあり、気軽にやり取りを行うことができるLINEの需要がより高まった1年であったと言えるだろう。
コミュニケーションの一翼を担うスタンプの存在
現代人のコミュニケーションツールとして、欠かせない存在となった「LINE」。2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、登校や出社することもままならず、リモートでコミュニケーションを図ることが増えるなど生活様式が一変した。その影響もあり、気軽にやり取りを行うことができるLINEの需要がより高まった1年であったと言えるだろう。
そんなLINEでのコミュニケーションで欠かせないアイテムとなっているのが、文章だけでは伝えにく感情をポップなデザインのキャラクターなどが表現してくれるスタンプの数々だ。企業のみならず個人のクリエーターがデザインした多種多様なスタンプの中から選択し、ダウンロード(DL)することができる。どのスタンプを使用するかが、その人の個性を表すことにもつながっている。
生活が激変した新型コロナ禍の1年、LINEスタンプへどのような影響をおよぼしたのだろうか。LINE株式会社 LINEスタンプ事業部スタンプマーケティングチーム マネージャーの薄葉成一氏は次のように答えた。
「非常事態宣言の解除後からは、スタンプ送信数も徐々に落ち着いてきてはいますが、それでもLINEスタンプを使ったコミュニケーションは前年と比べて大幅に増加している状況です」
また、LINEスタンプの人気デザインにも変化が見られたようで当初は「ソーシャルディスタンス」や「感染予防」を表現したものが多かったという。しかし「最近では『大丈夫?』や『体調にきをつけよう』などの相手を気遣う表現が増えてきた印象です」と、人気スタンプの種類にも変化が見られたと明かした。
これについて薄葉氏は「何気ないやり取りにも、スタンプで相手を気遣い、いたわるコミュニケーションが増えたのではないかと思います」と分析している。
今年はLINEスタンプとしても、多くの新商品やサービスをリリースした1年だった。テキストを自由に変更出来る「メッセージスタンプ」やトークルームの背景が動く「エフェクトスタンプ」、AI学習によるオリジナルフォントを使った「手書き文字スタンプ」など新たな試みをスタートさせた。
さらには、スタンプの定額制サービス「LINEスタンプ プレミアム」の「デラックスコース」を提供開始するなど、表現の方法やコミュニケーションの幅が広がるユニークなスタンプやサービスが多く登場していた。
薄葉氏は「新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、大事な方と直接会いづらい状況が続くなか、こういったLINEスタンプの新しい商品やサービスを少しでも会話のきっかけや盛り上げに活用することで、『LINE』を通した気軽なコミュニケーションを楽しんでいただけるとうれしいです」と、人々の円滑な交流の一助となることを期待した。
文字のみの交流では、表情の見えぬ相手の心理が読みづらく、意思疎通に齟齬が生じることもある。そんな時の“サポートアイテム”として、自分に合ったLINEスタンプを使用してみることで相手との距離が縮まるかもしれない。