大河ドラマ「麒麟がくる」が評価される理由 主役・長谷川博己ら俳優陣の演技力
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の内容を評価する声はNHK内外から聞こえてくる。12月13日放送の第36回にも、そんな声が聞こえてきそうな場面があった。「麒麟がくる」の魅力を探ってみた。
12月13日の第36回放送に演出家もコメント発表
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の内容を評価する声はNHK内外から聞こえてくる。12月13日放送の第36回にも、そんな声が聞こえてきそうな場面があった。「麒麟がくる」の魅力を探ってみた。
第36回で印象的だったのは、終盤の明智光秀の苦悩と涙のシーン。長谷川博己の迫真の演技には引き込まれてしまった。将軍の足利義昭(滝藤賢一)と織田信長(染谷将太)が決裂。光秀は、三淵藤英(谷原章介)に「戦にはせ参じよ」と言われ、「誰との戦か、信長さまと戦えと?」と叫んだ。義昭に「信長と離れよ。わしのために」と迫られた光秀は「公方さま」と叫ぶと、号泣しながら「それはできませぬ」と声を振り絞った。長谷川は、光秀のつらく、深い悲しみと苦悩を、こん身の力を込め、しっかりと表現した。高い演技力と迫力を感じた。俳優の卓越した演技力と気迫。それによって大河の質は維持され、ファンを引き付けている大きな要因の一つと感じることができる場面だった。
演出を担当した一色隆司氏は「第36回は、光秀目線で話が進んでいきます。その中でも最大のポイントが、クライマックスとなる将軍義昭との決裂のシーン」と紹介。さらに「義昭の信長に対する憎悪に、自分を信じて進んできた光秀は最大の挫折感を味わいます。しかし、その先には将軍か信長か……という過酷な選択まで迫られ……台本にある光秀の落涙をどう表現するのか、長谷川さんといろいろ話をしましたが、長谷川さんはこん身の演技でそれに応えてくれました」とコメントした。また「その芝居を受けて、滝藤さんも谷原さんも素晴らしいリアクションとそれぞれの思いを作り上げてくださいました」と、俳優陣を絶賛。最後は「涙の光秀の心の叫びが、どう本能寺に続く終わりの始まりへの暗示となっていくのか、今回の光秀の姿は必見です」とコメントした。
「麒麟がくる」11月8日放送の第31回で描かれた信長の撤退戦「金ケ崎の退き口」でも、信長(染谷)が、光秀の説得により逃げる決意をする際、怒りと悔しさから声を上げて泣くシーンがあった。SNS上では染谷の演技を称賛する声で盛り上がった。
最近の「麒麟がくる」は俳優の鬼気迫る表現、卓越した演技力を楽しむことができる。大きな魅力の一つだろう。