暴走王の称号は誰のもの? 小川直也の登場に全日本プロレスが大騒ぎ【連載vol.19】
「暴走王」小川直也が全日本プロレスのリングで、懐かしのハッスルポーズを決めた。
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「暴走王」小川直也が全日本プロレスのリングで、懐かしのハッスルポーズを決めた。
Amazon Prime Videoの新映像コンテンツ「全日本プロレス配信」で解説している小川は、12・7後楽園ホール大会に登場。2004年から参戦していたハッスルのリングを思い出すパフォーマンス「3、2、1! ハッスル! ハッスル!」を披露すると、観客席には拍手が渦まいた。
小川と言えば柔道世界一からプロレス界に転身。暴走ファイトで大暴れし、ファイティングオペラと銘打たれたハッスルでも大活躍。日本マット界に旋風を巻き起こし暴走王と恐れられた。
この日は、ハッスルマットでも絡んだKENSO、ヒロコ(現千葉県議会議員)夫婦とも対峙(たいじ)。KENSOを往年の十八番STOでたたきつけた。
STOの切れ味は全盛時そのまま。軽快な動きで今すぐにでもリング復帰ができそうだった。
実際、試合前にも現在の「暴走王」諏訪魔と一触即発のにらみ合いを展開している。諏訪魔は「なぜ小川が全日本通信に関わっているんだ。何しに来たんだ」と挑発。18年6月にプロレス界からの引退を表明している小川の現場復帰に怒り心頭なのだ。
「暴走大巨人」のパートナー、石川修司らが二人の間に割って入り、事なきを得たが「暴走王」同士の異常接近はド迫力だった。
その後、小川はリング上から「今の全日本プロレスは、僕が上がっていた頃よりも、さらに良くなっていた。新しくなった全日本プロレスを解説できてよかった」とあいさつしたが、諏訪魔の暴走に、持ち前の闘争本能を刺激されたことは間違いない。
そして小川はハッスル時代の盟友・TAJIRIともにこやかに談笑。最新の情報収集にも余念はない。
ファンの前で小川に赤っ恥をかかされたKENSOは、全日本プロレス配信で放送されるスペシャルマッチの大会プロデューサーも務めている。WWE時代にディーバとして帯同した「ゲイシャガール」ヒロコともども小川へのリベンジを誓ったはず。プロデューサー権限を悪用すれば「黒い仕掛け」も容易いことだ。
もとより新旧「暴走王」が激突すれば、見どころたっぷり。暴走ナンバー1を決し、暴走王の称号が本当にふさわしいのは小川なのか、それとも諏訪魔なのか。リングではっきりさせるのが唯一の解決策だ。