エヴァンゲリオン“体感型”4D版に行ってみた 風、振動、水の演出で使徒との戦いがリアルに

使徒との壮絶な戦いに、こぶしを握りしめて見入った――。世界的人気を誇るアニメ『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』のシリーズ3作について、全国82館の劇場でのMX4D、4DXの期間限定上映が行われている。来年1月に公開予定の最新作へ向けて期待が高まる中で、20年来のエヴァファンのENCOUNT編集部記者が、4日から始まった『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 4D版』を体感してきた。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』のシリーズ4D版のビジュアル【写真:(C)カラー】
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』のシリーズ4D版のビジュアル【写真:(C)カラー】

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 4D版』映画館での鑑賞ルポ

 使徒との壮絶な戦いに、こぶしを握りしめて見入った――。世界的人気を誇るアニメ『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』のシリーズ3作について、全国82館の劇場でのMX4D、4DXの期間限定上映が行われている。来年1月に公開予定の最新作へ向けて期待が高まる中で、20年来のエヴァファンのENCOUNT編集部記者が、4日から始まった『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 4D版』を体感してきた。

 東京・グランドシネマサンシャイン池袋の4DX上映。4DXとは、座席が前後左右に動き、水や風、フラッシュなどの演出も加わる体感型のシアターだ。ほぼ中央の席に座ってスタートを待った。思い起こせば、エヴァは2020年でテレビアニメシリーズ放送から25周年を迎えた。社会現象を巻き起こした本シリーズに、記者は中学生の頃にファンになった。07年からは『新劇場版』シリーズとして新たな世代に向けた物語が、より進化した映像で紡がれ、『:序』(07年)『:破』(09年)『:Q』(12年)の3作が公開。大人になっても、エヴァに魅了され続けている。

『:序』は何度も何度も見てきた。14歳の碇シンジが、特務機関ネルフの最高司令官で父親でもある碇ゲンドウから、エヴァンゲリオンのパイロットに任命される。使徒と呼ばれる謎の敵が次々と襲来し、日本全国から集めた電力を射撃で打ち込んで使徒を倒す「ヤシマ作戦」までが描かれる。シンジが同じパイロットの少女・綾波レイと少しずつ心を通わせる交流の様子も見どころだ。

 いよいよ本編が始まる。いきなりの第4の使徒の襲来。ちょうどそのタイミングで、父・ゲンドウから突如呼び出されたシンジを、ネルフの指揮官・葛城ミサトがスポーツカーで迎えに来る。そこに、4DXのエフェクトによる風と座席の振動が加わる。一気にエヴァの世界に引き込まれた。

 初号機の“暴走”のシーンは、何がどうなるのか分かりきっているはずなのに、戦闘アクションとともにけっこう揺れる座席やちょっとびっくりする水のエフェクトによって新鮮味を感じられた。そして、本作のヤマ場となる、陽電子砲で第6の使徒を殲滅するヤシマ作戦。シンジとレイの必死の戦いぶりを“体感”しながら、ぐっとこぶしを握りしめていた。4DX効果で戦闘シーンがリアルに引き立ち、また新たな楽しさを知ることができた。

 劇中での、ネルフの同僚である赤木リツコとミサトの会話シーン。大人になるということは、互いに傷つかずに済む距離を見つけること――といった趣旨のミサトのせりふがある。今回、どうしてか強い印象を覚えた。互いのプライベートには踏み込まない仕事上の人間関係、ほどよい距離感が大事でもある社会人同士の交友……。改めて考えるきっかけになった。個人的に、エヴァのテーマの一つは、「人と人は分かり合えるのか」といったことであると思っている。社会人になっても、エヴァが教えてくれることはまだまだあるような気がした。

 4D版の上映は『:破』、『:Q』と続き、今月24日までを予定しているという。さて、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの最新作であり完結編でもある『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の公開が、2021年1月23日に迫っている。新型コロナウイルス感染拡大の影響によって今年6月の公開が延期されたこともあり、待ちに待った封切りだ。まったく新しい未知のストーリーに胸の高まりが抑えきれない。さまざまな設定や物語構成を解釈していくこともエヴァの魅力の一つだ。それまでにしっかり、“予習”をしておきたい。

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