新藤兼人賞金賞は「37セカンズ」 HIKARI監督「出資を断られることもあった」
「新藤兼人賞2020」の授賞式が4日、都内で行われ、「37セカンズ」のHIKARI監督が金賞、「佐々木、イン、マイマイン」の内山拓也監督が銀賞、「スパイの妻<劇場版>」から岡本英之氏、高田聡氏、山本晃久氏がプロデューサー賞を受賞した。
プロデューサーの目から「映画を作らせたい」新人監督に送られる異色の映画賞
「新藤兼人賞2020」の授賞式が4日、都内で行われ、「37セカンズ」のHIKARI監督が金賞、「佐々木、イン、マイマイン」の内山拓也監督が銀賞、「スパイの妻<劇場版>」から岡本英之氏、高田聡氏、山本晃久氏がプロデューサー賞を受賞した。
新藤兼人賞は日本のインディペンデント映画の先駆者である故・新藤兼人監督の名を冠し、現役プロデューサーが「この監督に映画を作らせてみたい」という観点から新人監督に贈られる異色の映画賞。第1回は是枝裕和監督が受賞しており、今年で25回目を迎える歴史ある賞だ。
金賞に輝いた「37セカンズ」は身体障がい者の女性を一般公募し、約100人の応募の中から主演女優を選出した意欲作。HIKARI監督は「女性監督、初長編、演技経験のない障がい者が主人公ということで、(出資を)断られることもあった。本当に素晴らしい賞をいただいて、これからも頑張っていきます」とあいさつした。
銀賞「佐々木、イン、マイマイン」の内山監督は若干28歳。服飾学校卒業後、スタイリストから映画の道に転身した異色の経歴の持ち主だ。受賞者の中で最後のあいさつとなったが「もう名刺がなくなりそうで、こんなことならもっと名刺を持ってくるべきでした」「『37セカンズ』が頭一つ抜けていて、ぶっちぎりの2位だと思ってます。ずっと2位ばかりの人生ですが、最高の銀賞をいただいたなと思います」と軽妙なトークで場を沸かせた。