ベルトを寄贈し自らの腰に巻く 究極のスポンサーを目指す闘う実業家
「闘う実業家」カーベル伊藤が全日本プロレスTV認定6人タッグ王座に王手をかけた。
メキシコでレスラーライセンスを取得したカーベル伊藤
「闘う実業家」カーベル伊藤が全日本プロレスTV認定6人タッグ王座に王手をかけた。
全日本の今年の最終興行12・13東京・後楽園ホール大会で、伊藤は大森隆男、ブラックめんそーれとトリオを結成し、初代6人タッグ王座決定戦に出陣。崔領二、大門寺崇、レブロンのランズエンド軍とベルトを争う。
「新タイトルのベルトを寄贈します。2年前に諏訪魔選手が全日本にも6人タッグ王座があってもいい、と発言してから、コロナ禍もあって、なかなか実現しなかった。こんな時こそ、スポンサーの出番」と、伊藤は鼻息を荒くする。
全日本のメインスポンサー「カーベル」は、カーベル伊藤こと伊藤一正社長が一代で築き上げた急成長企業。新車市場、100円レンタカーなど車販売業界に新風を呼び込み「ペットの旅立ち」など新事業も手掛けている。
「好きか、大好きか」というポリシーを貫き、大好きなプロレスもサポートするだけでなく、自らマスクマンとしてリングに上がっている。
メキシコでレスラーライセンスを取得し、2016年に国内デビューも果たした。ファンが高じた素人レスラーと言われそうだが、その実、基礎体力も技術も備えた本格派。コーナーポスト最上段からの思い切りのいい空中弾も披露している。
今年から芸能事務所にも所属し、タレント活動にも勤しんでいる。とにかくエネルギッシュ。明るく元気でパワフル。近くにいると、いつの間にか、つられて、こちらまで元気になるという不思議な魅力の持ち主で、周囲にも笑顔があふれている。
試合前、マスクをかぶって客席に登場。ちびっこファンなどに自ら話しかけ、握手や記念撮影に気軽に応じる。積極的なファンサービスで喜ばれている。
「レスラーが近くに来たらうれしいでしょ。子どもならなおさら。小さい時の思い出は残るから、大人になってもずっとプロレスファンでいてくれたらいいなと。自分がされたらうれしいと思うことをしている」。観客席にプレゼントを投げ入れ、会場を盛り上げている。
現在はコロナ禍でファンとの接触は自粛しているが、サービス精神旺盛なカーベルは、常に話題を提供するなど、試合だけではなく、ファンサービスにも余念がない。
「選手が輝き、ファンの皆さんにも喜んでいただきたい。ユニットがいくつも参戦している全日本で、一番、強いユニットを決めるベルトになってほしい」と、スポンサーとしての思いは熱い。
もちろん、自らも参戦するのだからカーベル伊藤としての思い入れも、これまた燃えて上がっている。本業で日本全国を飛び回る多忙な生活を送っているが、時間を見つけてはトレーニングにも励んでいる。
これまでにも四国統一タッグ王座などを獲得している。とはいえ、全日本の新設べルトとなると、これまた重みも違ってくる。しかも外敵・ランズエンドが送り込んでくるチームが相手である。
「全日本を代表して王座決定戦に臨む。初代チャンピオンが、今後の流れを左右しかねないので、負けるわけにはいかない」とカーベル。もちろん、パートナーの大森、めんそーれに託すところは託し、自らも暴れる決意を固めている。
ベルトの完成は決戦直前になる予定。「伊藤一正が寄贈するベルトを、カーベル伊藤が腰に巻ければ最高」と、ベルトのお披露目も決戦のゴングも待ちきれない様子だ。