杉咲花の朝ドラ「おちょやん」の役作り 自粛期間は一日中、部屋着感覚で着物姿に
次期NHK連続テレビ小説「おちょやん」(月~土曜午前8時)が30日にスタートする。上方女優の浪花千栄子さんの半生をモデルに、大阪の南河内の貧しい少女・竹井千代が奉公に出た道頓堀で芝居の素晴らしさに魅了され、女優の道を目指し、歩んでいく姿を描く。ヒロインを務める女優の杉咲花(23)が、このほど放送目前の心境や作品への思いを語った。
「おちょやん」という作品自体がモチベーションに
次期NHK連続テレビ小説「おちょやん」(月~土曜午前8時)が30日にスタートする。上方女優の浪花千栄子さんの半生をモデルに、大阪の南河内の貧しい少女・竹井千代が奉公に出た道頓堀で芝居の素晴らしさに魅了され、女優の道を目指し、歩んでいく姿を描く。ヒロインを務める女優の杉咲花(23)が、このほど放送目前の心境や作品への思いを語った。
「やっと見てもらえるという、うれしさでいっぱいです。放送が始まったら、どんどん見てくださる皆さんのもとに届いていくんだなと思うと背筋が伸びるというか緊張もあります」
もともと撮影期間が長い作品。新型コロナウイルス禍で撮影スケジュールが遅れたりもした。モチベーション維持も大変なはず。
「大変なことはいっぱいありますが、あらためて台本を読み直したり、共演者の皆さんの顔を見たり、予告編とか完成した本編を見ると、やる気がわいてきます。『おちょやん』という作品自体が自分にとってのモチベーションになっています」
笑ってもらう難しさやそれに挑戦する怖さを実感して「喜劇をリスペクト」
前向きな姿勢は「台本を読める時間がすごくありました」「その時間があったからこそ千代のことを知ることができました」と他にもさまざまな面で感じる。一方で、なじみのなかった大阪の喜劇にはちょっと様子が違うようだ。
「何回か、NHKのスタッフさんと一緒に見に行かせていただきました。出演者の皆さんが舞台に現れただけで、お客さんみんなに楽しんでもらって今日を終わるんだ、という気合のようなものが伝わってきて鳥肌がとまりませんでした。人を楽しませることに一生懸命に向き合う姿に感動しました。今、実際に『おちょやん』を撮影していて、笑ってもらう難しさやそれに挑戦する怖さを実感して、喜劇に対するリスペクトが強まっています」
笑わせることは「難しい」「怖い」「手足が震えています」と喜劇女優には向いていないと話すが、それでも、やっぱり前を向く姿勢は千代そのもののように感じる。
「台本を読んで面白いと思ったからこそ、気づいたら面白がらせようとしている自分がいて自然に演じることとのバランスが難しいです。監督によってはカットをかけず、シーンが終わった後のアドリブを撮りたい方もいらっしゃるので、その都度、自分なりにアドリブを入れたりしますが、びっくりするほどシーンとする時も。すごく落ち込むのですが、次、また頑張ろうと思う時にメンタルが強くなってきているなと感じます(笑)」
演じる時代は戦前から昭和初期。この時代を演じる上で大事にしていることを尋ねると、頭が下がるほど役に向き合う前向きな姿を明かしてくれた。
「所作は繰り返していくことでなじむと思ったので、自粛期間中は毎日、着物を着て家で過ごしていました。朝、起きてから着替えて、お風呂に入るまで部屋着感覚で。気持ちの面での役作りとしては、どんな時代を生きていても、人には気持ちがあって相手の存在によって心が動かされるはずなので、演じる時代によって大きな違いはなく、自分の役とお芝居の相手の方に向き合うことが大切なのかなと思っています」