トランスジェンダー役、デリヘル従業員役、けだもの役…カメレオン俳優・田中俊介の本音
白目もコンタクトレンズを入れず「全部、自分の体の動きでやっています」
――これが、ハリウッド映画だったら、特殊メークやCGを使うシーンですよね。
「でも、今回は何もないですから(笑)。よく聞かれるんですけども、白目もコンタクトレンズなどは入れていないし、全部、自分の体の動きでやっています。でも、こんな飛び抜けた役はなかなかないので、楽しかったです」
――終盤には、宇野祥平さん演じる“江野祥平”とのアクションもありました。
「正直きつかった。体中バキバキですね。台本のト書きでは『戦う』みたいに書いてあるんですけども、こんなにあるとは思わなかったんです。撮影の前に、スタジオでアクション部の方たちにけいこをつけてもらったんですけども、全部撮りきれるのかというくらいの長尺でした。宇野祥平さんは年齢も上ですし、体力的にもきついかなと思っていました。でも、スタッフ含めて、集中力があったんでしょうね。夕方から始まって、朝方までかかるんじゃないかって言われたのが、午前2時か3時ぐらいには終わりました」
――自身も二面性を持っている?
「誰でも、人格は1個じゃないと思うんです。接する人によって変わると思いますし、仲いい男友達と女性の前では違う面を出している。だから、特別、不思議な気もしなかった。ただ、獣化することは、変ではあるんですけども(笑)」
――「恋のクレイジーロード」に続く、宇野祥平さんとの共演はいかがでしたか。
「大好きな俳優さんです。エネルギーがすごいです。いろんな作品に出られて、見事に溶け込むんですよね。『こんな人、いそう』と思うんですけども、この恋シリーズでは、“ばけもの”役ですから振り切っています。一ファンとしても、すごく楽しかった。今回は、ラブストーリーでもあるので、目が合わさった瞬間の恋に落ちた時の目がすごい。本当に宙也に恋している目をするんです。目がハートになっていました。改めて、すごい役者さんだなと思いました」
――田中さんも“江野祥平”に恋を(笑)?
「アクションをしながら、だんだん気持ちが寄ってくるんですね(笑)。江野祥平はただただピュアな男なんです。ちょっとやり方は間違っていますけど(笑)。好きって気持ち伝えたいだけなのに、僕(の役、宙也)にボコボコにされてしまいます。何かかわいそうだな。江野祥平には、幸せになってほしいという気持ちにもなってくる。応援したくなりました(笑)。見てくださった方々が僕みたいな気持ちになるのか、感想を聞きたいですね。ハチャメチャで、いろんな要素を盛り込んだエンターテインメントとして、恋愛ものとして受け入れられるのか、どうか」