「私財1億円」投じた日から6年…SKY-HI、BMSG FES’26最終公演で語った覚悟と“戦友たち”の思い

音楽プロデューサーのSKY-HI率いるマネジメントレーベル・BMSG主催の「BMSG FES’26」が、東京・台場の野外特設会場で今月10日から3日連続で開催された。同フェスは所属アーティストが一堂に会し、2022年9月から毎年規模を拡大して行われている。今回のメインステージにはSKY-HI、Novel Core、BE:FIRST、MAZZEL、STARGLOW、Aile The Shota、edhiii boi、 REIKO、HANA、ふみの、TAKARA、Ayumu Imazu、SALU、らが出演し、計10万人超を動員した。約6時間で全89曲を披露した12日の最終公演では、SKY-HIとアーティストたちが、BMSGの歴史や未来を語る場面があった。

「BMSG FES’26」に出演したSKY-HI【写真:田中聖太郎】
「BMSG FES’26」に出演したSKY-HI【写真:田中聖太郎】

野外3日間で10万人超動員

 音楽プロデューサーのSKY-HI率いるマネジメントレーベル・BMSG主催の「BMSG FES’26」が、東京・台場の野外特設会場で今月10日から3日連続で開催された。同フェスは所属アーティストが一堂に会し、2022年9月から毎年規模を拡大して行われている。今回のメインステージにはSKY-HI、Novel Core、BE:FIRST、MAZZEL、STARGLOW、Aile The Shota、edhiii boi、 REIKO、HANA、ふみの、TAKARA、Ayumu Imazu、SALU、らが出演し、計10万人超を動員した。約6時間で全89曲を披露した12日の最終公演では、SKY-HIとアーティストたちが、BMSGの歴史や未来を語る場面があった。(取材・文=コティマム)

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 SKY-HIは2005年にデビュー。同時期から、都内クラブなどでラッパーとして活動を続けてきた。起業の目標も持ち、コロナ禍の20年9月に音楽事務所のBMSGを設立。同年12月からは、私財1億円を投じてボーイズグループ発掘オーディション『THE FIRST』を開催した。そして、BE:FIRSTが21年に誕生。24年には東京ドーム公演を実現した。MAZZELも人気を獲得し、昨年はHANA、今年はSTARGLOWがブレイクしている。

 短くも濃い6年の道のり。SKY-HIはステージ上で実感を込めた。

「千葉の実家から6年。恵比寿で一軒家借りたとこから5年。いっちょまえにオフィス借りたとこから4年。ビルやっと買ったとこから2年。出ているアーティスト全員カッコいいでしょ? 所属アーティスト、全員カッコいいでしょ? 所属アーティストが全員売れているマネジメント事務所って今まであった?」

 客席から歓声が沸き起こると、「作るんだよ。ここからなぁ!」と意気込み、「ただの夢だと思うかい? 全て決まっていた。お前がこのフェスに今日来ることもさ。全て決まっていた。俺がお前の見た夢を叶える男さ!」と叫んだ。

 同社の歴史を知るアーティストたちも、各々の思いを語った。『THE FIRST』に参加し、最終審査でソロアーティストとしてBMSGとマネジメント契約したAile The Shotaは、21年にメジャーデビュー。『THE FIRST』から始まり、MAZZEL が誕生した『MISSIONx2』やSTARGLOWが誕生した『THE LAST PIECE』を見守ってきた。歌唱の合間に言った。

「割と近くで(オーディションを)見てきた僕としては、今回、こうして新しい仲間と同じステージに立てること、すごくうれしく思います。だからこそ、このBMSG FES’26のステージがいかにとんでもなく尊いものかをあなたの盛大な歓声で伝えて、彼らを迎え入れてあげてほしいわけなんですけども、行けますか?」

 そして、「俺たちの“誇り”を呼ばせてください。BMSG TRAINEE、声を聴かせてくれ!」とステージに育成生たちを呼び込んだ。

「いつ頃か分からないけど、近い将来、4thグループが誕生するでしょう。彼らとまた、こうやって同じステージに立てることを願って、ここに“開花宣言”といきましょうか!」

 そう言うと、自身の楽曲『開花宣言』をTRAINEEたちと披露した。

「BMSG FES’26」に出演したNovel Core【写真:田中聖太郎】
「BMSG FES’26」に出演したNovel Core【写真:田中聖太郎】

Novel Core「『新しい正解』増やす会社」

 20年にBMSGに第1弾アーティストとして所属したNovel Coreは、ロックテイストなヒップホップを披露した後に言った。

「俺が、あなたよりも、今(ステージ)袖にいる他のアーティストよりも、制作してくれているスタッフさんたちよりも、はるかに前にこの BMSG という事務所、SKY-HI の追いかける夢に可能性を感じて、全部ベット(BET)させてもらいましたNovel Core です! よろしく!」

 続けて熱く訴えた。

「BMSG、あっという間に6周年を迎えました。その都度新しくなっていく景色や環境、責任と向き合って、毎秒、毎時、毎日、毎年、姿形を変え続けてきました。ただ一つ、BMSGが設立当初から、俺を渋谷の焼肉屋で口説き落としたあの日から、何一つ変わってないことがあります。それは、『良いエンターテインメントをより良い形で世界に届けていく会社だ』という理念です。これは6年間、たった1度もブレたことのないスローガンです」

 自身の楽曲『RULERS』が、テレビアニメ『キングダム』第5シリーズのエンディングテーマになったことを紹介し、それにも例えた。

「キングダムに出てくるエイ政(えいせい)という王様は、まさにBMSGのボスであるSKY-HIみたいに熱い人で、『7つに分かれている国が独立して違う利益を求めて戦うのではなく、7つの国を全部1つに統一してしまえば、争いがなくなるんじゃないか?』と駆け抜ける。そんな物語です。異なるものが交わる瞬間は、必ず強い摩擦や歪みが生まれます」

 さらに、まとめることの難しさにも触れ、「だからこそBMSGを代表して約束します。俺がいる限り、BMSGは『誰かの正解』を『不正解』にするのではなく、『新しい正解』を無限に、この世の中に増やし続けていく。そんな会社であることをここに誓います」とBMSGとSKY-HIの思いを代弁した。

 後半に登場したラッパーのSALUは、25年からBMSGに所属しているが、SKY-HIとの付き合いは長い。その関係性も踏まえ、観客に「先日のSKY-HIさんの武道館公演を見に行かれた方、どれくらいいらっしゃいますか」と問いかけた。

 今年6月、約9年ぶりにSKY-HIの東京・日本武道館単独公演『SKY-HI TOUR 2026 -Success is-』が開催された。自身も同公演を見に行っていたと明かし、「僕と社長こと日高(光啓)くん(SKY-HI)とは15、6年の付き合いをさせてもらっていて。当時は僕みたいな歌を歌うラッパーって全然いなくて、多分、僕と日高くんしかいなかった」と振り返った。

 そして、「日高くんは当時もう、国民的アイドルなのにラップしてくれていて、僕は普通の大学生で、『日本のラップをもっと世界に、もっと広げられるんじゃないか』って、本当にいろんなところで一緒に戦った戦友だったんです」と懐かしんだ。

 だが、自身はその後に音楽ができない状態になったという。

「2019年を境に、僕と彼は連絡を取ることも一切なくなって、別々の道を歩むことになってしまって。その5、6年は音楽活動ができないどころか、音楽が聴けないようなところまで行っちゃって。その一方で日高くんは、こんな大きいことをたくさんの仲間と成し遂げていて。武道館で彼の姿を見て、彼がまだ“あの日”の続きを命を削って、寝る間も惜しんで、音楽でこの世界の闇を照らそうとしている姿を見て……」

 そう言うと涙ぐみ、口をつぐんだ後に続けた。

「そして、『あっ、そうだったな。僕はこのために音楽始めたんだよな』って、大切なことを思い出させてもらいました。僕はいつの間にか、この15、6年で“闇”側に回ってしまっていた……。だから僕は、これからBMSGのSALUとして、彼の右腕にはなれなくても……。すでに彼には優秀な右腕がいっぱいいるから、彼の右手の『中指と人差し指』となって」

SKY-HIへの思いを語ったSALU【写真:田中聖太郎】
SKY-HIへの思いを語ったSALU【写真:田中聖太郎】

SKY-HI「諦めかけた夢を取り戻した」

 その流れで右手の中指と人差し指でピースサインを作り、「少しでも多くの闇を彼と一緒に、みんなと一緒に照らしていこうと思っています」と言い、前を向いた。

 長年の思いを明かしたSALUは、『In My Life』『In My Yours』をパフォーマンス。その後、「誰かが来る気がする! これから来るの、だ~れだ!」と次のアーティストを紹介すると、SKY-HIが登場。SKY-HIは「相棒~! Let’s Go!」とSALUに声をかけ、2人のコラボレーション曲『Ran Ya』と『Things To Do』を披露した。

『Ran Ya』は、既存の古いルールや固定観念に縛られず、「自分たちの信じる音楽とスタイルで、業界の先頭を突っ走る」という強い覚悟と自信がつづられた楽曲だ。『Things To Do』も、周囲からの誤解や臆測に惑わされず、自身で決めた道や大きな夢に向かって突き進む強い意志を表現している。さらに『Things To Do』の歌詞には、SKY-HIパートで「中指に人差し指足してピース ヘイトやディスに返すKiss SALUと今日も笑って生きる」というフレーズが。SALUはこの歌詞にかけて、「SKY-HIの右腕ではなく“中指と人差し指”になる」と誓った。

 SKY-HI自身も、23年に開催したアリーナツアー『SKY-HI ARENA TOUR 2023 ーBOSSDOMー』の中で、過去に夢を「叶うわけがない」とバカにされていたことを明かしていた。

「10代の時に見ていた夢を、20代で一度捨てかけたことは受け入れなきゃいけないと思ってる。でも俺、自分自身を褒めたいのは、30代で10代の時の夢を取り戻したこと。この先の人生もし何か上手くいかないことがあって、40代ですげ~大失敗して下手こいてボロボロになっても、50代でまた夢を復活させてやる」

 そして、「俺の仲間がもし20代でキラキラ輝いて、30代で上手くいかなくなっても、40代で復活できる道を作ってやる」とも意気込んでいた。

 その言葉通り、SALUの“復活の道”を作ったSKY-HIは「15年来の親友、そして、俺のヒーロー、my real brotherのSALUに大きな拍手を!」と称え、SALUとの楽曲『運命論』で高速のラップを披露した。

 ラストでは全アーティストがステージに登場。全員で『GRAND CHAMP』を歌い上げた。

「世界まで行くぞ! We are BMSG~!」

 所属アーティスト、スタッフたちと道を切り開いていく覚悟の言葉だった。

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