【ブラッサム】渡部篤郎、練習なしの乗馬撮影 CP驚き「もう終わった!?」…父・清治役に起用した理由とは
NHKの連続テレビ小説『ブラッサム』(月~土曜午前8時)で、主人公・葉野珠(石橋静河)の父・葉野清治を演じる俳優・渡部篤郎。家族に厳しく、どこかつかみどころのない清治は、物語序盤から強烈な存在感を放った。このほど、制作統括の村山峻平チーフ・プロデューサーが取材に応じ、清治を描く上で意識したことや、渡部を起用した理由について語った。

第1回から強烈な存在感 制作統括・村山峻平CPにインタビュー
NHKの連続テレビ小説『ブラッサム』(月~土曜午前8時)で、主人公・葉野珠(石橋静河)の父・葉野清治を演じる俳優・渡部篤郎。家族に厳しく、どこかつかみどころのない清治は、物語序盤から強烈な存在感を放った。このほど、制作統括の村山峻平チーフ・プロデューサーが取材に応じ、清治を描く上で意識したことや、渡部を起用した理由について語った。
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本作は、明治、大正、昭和を駆け抜け、自由を求め続けた作家・宇野千代をモデルにした物語。明治30年(1897年)、山口県岩国に生まれた葉野珠が、激動の時代の中で作家としての道を切り開いていく姿を描く。
渡部演じる父・清治は珠ら家族に厳しい人物として描かれ、第1週では珠に裸足でおつかいに行かせるシーンもあった。モデルとなった宇野千代さんが残したエピソードを尊重して描いたという。
「『ブラッサム』は、あくまでも葉野珠が主人公として生きていくオリジナルドラマです。その軸はブレないようにしながら、(1980年代の珠を演じる)加賀まりこさんが会見でおっしゃった『綺麗事にしないで』につながりますが、特に最初の岩国が舞台となる部分については、宇野千代さんへのリスペクトを込めています。基本的には、宇野千代さんの書かれた本の中に出てくる話で、父親について象徴的なエッセンスとして書かれているので、キャラクターの一つのかけらとして、大切にしています」
清治は岩国でも有数の蔵元「葉野酒造」の長男にもかかわらず、家督を弟に譲り、仕事もせずに暮らしている人物として描かれた。
「制作者の意図をあまり言いたくタイプです」と前置きした上で、「第1、2週で描いたのは女性がものすごく制限されている世の中で、珠は一歩を踏み出そうとすると、いろいろなことに巻き込まれていきます。ただ、その裏で、男性は家父長制の中で長男優位主義にあって、それを背負わされた人間もいて、長男の清治は息苦しさや自由への渇望がありました。渡部さんには、その清治の中から何かこぼれていくものがあることを、見事に表現していただけたと感じています」と狙いを明かした。
第2週で清治が病に倒れ、第10回では自らの幻を見て錯乱し、町へと飛び出していく展開。雪が舞い散る中、珠に「ワシは結局何も……」「死にとうない」と言い残し、この世を去った。宇野千代さんの著書では、父が錯乱して外へ飛び出したのは大雪の日とされているが、ドラマではあえて違う演出を取り入れたという。
「雪が降り積もっている中ではなく、少し春を感じさせたかったんです。清治はいろいろな思いがあったかもしれないですが、残された家族が清治をどのように受け止めながら次の季節に向かっていくのか、その姿を春の中で見たいなと考えました。宇野千代さんの記述は踏まえながらも、新春の雪という方向にしています。第10回は、清治が亡くなった後の珠と母のリョウの2人が縁側で会話する場面を、ピークにしたかったイメージです」

現場での人柄を称賛「ものすごくすてき」
改めて、清治を演じた渡部の起用理由を聞いた。
「清治役として、最初に思い描いた人でした。渡部さんが今のご年齢になって、この清治の役をやったら、言いようのない味が出るのではないかと思っていました。渡部さんはセリフではない表現をたくさんされてきた人ですから、多くを語らないけどその動向が気になってしょうがない清治にぴったりだと思って、オファーさせていただきました」
現場でも「とてもやさしくて、いい兄貴分と言いますか、プロデューサーや演出、カメラマンなどスタッフにも寄り添ってくれる姿がとてもすてきです」と、その人柄を称賛する。「『自分はできる』という感じではなく、さらっといろいろなことができちゃうんです」と明かし、第1回の乗馬での登場シーンが印象的だったという。
「大河ドラマの現場なども見てきましたが、あんな簡単に、自転車みたいに馬に乗っている人を初めて見ました。撮影も『えっ、もう終わった!?』というほど短く、そのぐらい難易度の高いことを当たり前みたいにやられていました。渡部さんが『練習はいらないよ』と言って、馬術指導の先生も渡部さんがすぐに乗れることが分かったので、すぐに本番でした役の中で必要なことだから自然にできるプロフェッショナルさがものすごくすてきでした」
清治が第2週で亡くなることを、渡部はどのように捉えていたのだろうか。
「何もおっしゃっていないです。『出来上がるのが楽しみだよ』と言ってくださいました。僕らとしては、冗談で回想シーンなど『もっと出ませんか』という話もしましたが、『どんどん時代は進むんだよ』と言ってくださいました。清治の存在感はこのあとも珠に残り続けるので、また何かしら回想などで出てくる可能性はありますが、今のところ具体的な再登場の予定はないです」
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