ロックスターのダンス傾倒に議論沸騰 ノエル・ギャラガーの音楽性を考える

このほど4年ぶりの単独来日公演を果たしたロックバンド「オアシス」の元メンバー、ノエル・ギャラガー。5月15日~同17日にかけて行われた来日ツアーに先立ち、ソロ・プロジェクト「ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ」として新曲「ブラック・スター・ダンシング」を発表した。豪快なギターサウンドで地位を築いたロックスターのダンスミュージック志向。ちょっとした議論を巻き起こしている。

コンサートは喜びを与えてくれる(写真はイメージです)【写真:写真AC】
コンサートは喜びを与えてくれる(写真はイメージです)【写真:写真AC】

 4年ぶりの単独来日公演を果たしたノエル・ギャラガー。来日ツアーに先立ち、ソロ・プロジェクト「ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ」として新曲「ブラック・スター・ダンシング」を発表した。ロックスターによるダンスミュージック志向の流れは、音楽ファンの議論を呼んでいる。

 英国ロックを象徴するオアシスは、重厚なギターと硬派なロックサウンドで世界中の音楽ファンを熱狂させた。ほとんどの楽曲を手がけ、ギター兼ボーカルとしてフロントマンを担ったノエル。オアシス解散後の2011年に初のソロアルバムを発表し、精力的にソロ活動を展開している。

 近年は、現在の音楽シーンの全盛といえるEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)の要素を大胆に導入。2017年発売のアルバム第3作「フー・ビルト・ザ・ムーン?」では、ダンスクラブで流れるような現代風のアレンジを打ち出した。ソロ活動に入ってからジャズやポップスなど多様なジャンルを本格的に取り入れてきたノエルは、この作品でロック一辺倒のイメージを完全に覆した。

 この流れを汲んだといえる今回の新曲。公式サイトなどでミュージック・ビデオが公開。故デビッド・ボウイへのオマージュが読み取られるタイトルで、ディスコ風のサウンドだ。いなたいベースラインと艶やかなシーケンサーが響き、踊れるリズムに仕上がっている。

 一方で、この新曲を紹介するフェイスブックの公式アカウントには、海外のリスナーらから多くの意見が寄せられている。
  
 「素晴らしい新曲、気に入った」
 「イントロが長過ぎるけど、クールな雰囲気を持っている」
 「オアシスを愛している。ノエルが大好きだけれども、私はこの曲を愛していない」
 「最新アルバムと同じぐらいに悪い」

 反応はさまざまで、“賛否両論”が見受けられる。

 オアシス時代のような歪んだギターを基軸に組み立てた、いわば正統派のロックサウンドを望む声があるのは確かだ。自分の好きな音楽ジャンルに「永遠性」を求めるのが、ファン心理でもある。しかしながら、常に新しいものを取り入れ、時代の波に乗るということもアーティストに必要な要素だ。音楽家としての「進化」を求める姿勢はけっして否定できない。

 15日に千葉・幕張メッセで行われた来日公演では、最新曲からオアシス時代の名曲まで歌い上げ、古参ファンも喜ばせた。

 50歳を過ぎても、音楽界の今を生きるノエルが歩む道には、どんな世界が待っているのか。次世代のサウンドか、新ジャンルへの挑戦なのか、それとも懐古趣味か。これからも大きな注目を集めそうだ。

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