指原莉乃は「恩人というよりママ」 矢吹奈子、芸能キャリアの転機と20代後半突入の“夢”

俳優の矢吹奈子は、アニメ映画『縁の手紙』(9月25日公開、キム・ヨンファン監督)の日本語吹替版で声優初挑戦を果たし、活動の幅を広げている。アイドル卒業から3年。25歳となり、20代後半の“これから”に描くビジョンとは――。

インタビューに応じた矢吹奈子【写真:増田美咲】
インタビューに応じた矢吹奈子【写真:増田美咲】

声優初挑戦…SNS全盛時代で感じる手紙の“趣き”

 俳優の矢吹奈子は、アニメ映画『縁の手紙』(9月25日公開、キム・ヨンファン監督)の日本語吹替版で声優初挑戦を果たし、活動の幅を広げている。アイドル卒業から3年。25歳となり、20代後半の“これから”に描くビジョンとは――。(取材・文=小田智史)


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 2013年8月にHKT48の第3期オーディションに合格し、アイドルとして活動をスタートさせると、18年には韓国のオーディション番組『PRODUCE48』を経てIZ*ONEのメンバーとしてデビュー。IZ*ONEの活動を終了後、HKT48に復帰した。23年4月にHKT48を卒業し、俳優業を本格化。卒業後2作連続でドラマのヒロインを務めるなど、俳優としても着実に実績を積んできた。

 25歳となった今年、アニメ映画『縁の手紙』の日本語吹替版で、「夢の仕事の1つだった」という声優に初挑戦。主人公の少女イ・ソリを演じ、主題歌の訳詞と歌唱も担当した。

「ソリの声にぴったりだと言ってくださる声が多かったらいいなと思います。もともとアニメを見るのは好きですし、声のお芝居もすごく楽しかったです。よく『少年の声とか合いそう』と言っていただけるので、そういう役柄にも挑戦してみたいですし、声の表現力をどんどん上げていきたいです」

 今作は『手紙』が重要なモチーフ。アイドル活動をしていたからこそ、SNS全盛時代の中で手紙に感じる思いはあるという。

「渡すのも、もらうのも好きです。でも、ファンの方からいただくファンレターが私の中で一番大きくて、『奈子ちゃんのひと言で、受験頑張ってきました』といった言葉をお手紙でいただくと、『私も皆さんの力になれているんだ』と実感できてすごく勇気付けられます。お手紙を待っているこのドキドキ感は、既読・未読で『見た』『見てない』が分かるSNSとかだと味わえない。『届いたかな?』とソワソワしたり、『今、返事を考えている時間なのかな?』とワクワクする時間がすてきだなと改めてこの作品を見て思いました」

長い芸能生活での自身の変化とは【写真:増田美咲】
長い芸能生活での自身の変化とは【写真:増田美咲】

指原莉乃の「絶対オーディション受けなよ」で開けた道

 HKT48、IZ*ONE、俳優……。さかのぼれば、0歳から子役として活動し、2005年公開の映画『タッチ』で俳優・長澤まさみが演じたヒロイン・浅倉南の幼少時代を好演した。「あまりにもいろんなことをやっていたので(笑)」。自身のターニングポイントに関しては「いっぱいある」と笑いつつ、何とか1つを絞り出してくれた。

「今のお仕事をできているのも、韓国に行ったのも、たどっていくと、やっぱり指原(莉乃)さんとの出会いに行き着きます。もともと指原さんのファンで、握手会に行って、そこで『絶対オーディション受けなよ』と言ってくれたおかげです。HKT48に入っていなかったら今の私はないので、指原さんのひと言にすごく感謝しています」

 矢吹は指原について、「芸能界での恩人というより、お母さんみたいな人です(笑)」と話す。

「私が反抗期時代も一緒に過ごしてきましたし、私が寝ぼけて『ママ』と言ってしまったこともあるくらい距離が近くて、もう家族みたいな存在です。本当にお母さんみたいな感じたったので、私の今の性格は指原さんありきかもしれません。中学生だった私のことをすごく信頼してくれて、厳しい言葉もかけてくれて。アイドルとして、人として成長を見守ってくれた人です。指原さんにこないだ会った時、『めっちゃ生意気だったよね』と言われました(笑)」

 長い芸能生活の中で、自身の変化はどのように関しているのか。

「考えていないように見えて、意外と考えているタイプです(笑)。ポジティブではあると思うんですけど、『悪い方に行かないように』『何かあったら』と想像してしまうので、心配性なところはあります。でも、不安な中でも新しい場所に飛び込むのはワクワクもあって好きですね。内面は、あまり変わっていないかもしれません。生意気さはさすがになくなっていると思いたいですけど(笑)。職業が変わっていっても、常にファンの方が大事な存在で、皆さんが待っていてくださるからこそ、お仕事も頑張ろうと思えるので、全てがファンの方ありきです」

これからも長く続く俳優人生に「ワクワク」

 アイドル卒業から3年。俯瞰(ふかん)して見た、俳優としての「矢吹奈子」の現在地は――。

「今25歳で、ちょうど学生役からどんどん幅の広がる時期だと思っています。今まで知らなかった自分の感情にも出合いたいですし、私を知ってくださっている方がイメージできないような役柄、ミステリアスで内に秘めたものがある役にも挑戦していきたいです」

 矢吹は「もう25歳になってしまったんだと感じました」と笑いつつ、こと俳優としてはそれをポジティブに捉えているという。

「俳優業で見たら、おばあちゃんとかまで演じられるので、いつまでやるかは何も決めていないんですけど、『これから先長いぞ!』と思ったらすごくワクワクしてきました。(来年)2月に舞台があって、これまでのミュージカル2作とはまた違った『音楽劇』になるので、新しい挑戦ですごく楽しみです」

 少女から大人の女性となった今、矢吹は次なるステージへの扉を開けようとしている。

□矢吹奈子(やぶき・なこ)2001年6月18日、東京都生まれ。13年8月、HKT48の第3期生オーディションに合格し、翌年4月よりチームHとして活動を開始。15年9月からは、AKB48のチームBとも兼任する。18年には韓国で開催されたオーディション番組『PRODUCE 48』に参加し、グローバルガールズグループ・IZ*ONEとしてデビュー。21年4月にIZ*ONEとしての活動期間を終了。HKT48に復帰後、23年4月にHKT48を卒業。同年10月期の朝日放送・テレビ朝日系『18歳、新妻、不倫します。』で連続ドラマ初ヒロインを務める。25年は1月期のTBS系連ドラ『御上先生』や、夏上演のミュージカル『ブラック・ジャック』などに出演。

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