お笑いトリオ「ダチョウ倶楽部」の寺門ジモンが初監督し、EXILE NAOTO、土屋太鳳が共演した映画「フード・ラック！食運」（11月20日公開）が4日、第33回東京国際映画祭が開催中の東京・六本木のEXシアター六本木でプレミア上映され、舞台あいさつが行われた。

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　本作は “食通”で知られる寺門の初監督作。焼き肉、食を通じて、親子の愛と人生の悲喜こもごもを描く食のエンターテインメントだ。

　寺門監督はマイクとトングを間違えるボケを見せて、観客の笑いをつかむと、「大事な時間をいただきました。みなさん、どうでしたか」と問いかけ。観客から盛大な拍手を受けると、「ありがとうございます。まずはお肉を食べに行って欲しい。今、飲食業が（コロナ禍で）大変なことになっているので、お肉がこういう映画で元気になって欲しいんです」とアピールした。
　
　焼き肉屋を経営していた母を持ち、グルメサイトの編集を任されたフードライター役のNAOTOは「裏でジモンさんがトングの練習をしているのを見ていたので、こっちが緊張してしまいました。受けてよかった！　食をテーマに家族を問いかける作品。ジモンさんには公私ともにお世話になっているので、幸せな撮影になりました。焼き肉屋に行ってください」。グルメサイトの新人編集者役の土屋は「本当に難しい状況の中、映画祭に参加させていただき、ありがとうございます。愛する作品を国境を越えてお届けできるのをうれしく思います」とあいさつした。

　映画のもう1つの主役はお肉。NAOTOは「ジモンさんから演技指導はなかったが、お肉の焼き方の指導が厳しく、見え方にはこだわったので、お肉がいい演技をしてくれた」と話すと、寺門監督は「世界よ、見よ。これが日本の黒毛和牛だ、という肉を用意したので、その肉をいいかげんに焼くわけにはいかなかった」とこちらは真剣な表情。撮影中は2人は肉をたらふく食べたそうで、NAOTOが「薄い肉は10枚くらい食べた」と言うと、土屋は「私はもっと食べた。13、14枚？」と笑い。寺門監督は「いくらなんでも食べ過ぎです。撮影中以外でも食べているからね。見ておいしい肉は食べてもおいしいんです」と持論を展開した。

　映画は構想6年。「もともと、お店お店にはそれぞれの物語がある。その素敵な物語を忘れないで欲しいという思いで撮った。母と子は永遠の愛で、おいしさにつながっている。『食べることは生きること』をテーマに、僕のうざいウンチクとともに入れさせてもらいました。いろんな見えない部分を感じて欲しい」と寺門監督。

　時折、国際映画祭ならでは、の通訳の的確な言葉選びに感心しながら、舞台あいさつはあっという間だったようで、「全然しゃべってないよ。映画を見たら、焼き肉を食べたいと思うので、見る前に焼き肉店を予約して欲しい」と話していた。

　第33回東京国際映画祭は9日まで、六本木ヒルズ、東京ミッドタウン日比谷ほかで開催される。