シーザー武志の激闘交友録! アントニオ猪木と2人カラオケ、「水戸黄門」熱唱!?
アントニオ猪木と100人収容のホールで2人カラオケ「水戸黄門」→「タイガーマスク」
――ちなみにシーザーさんは、アントニオ猪木VSモハメッド・アリによる「格闘技世界一決定戦」(76年6月26日、日本武道館)はどう思われていましたかね?
「立って戦っていれば間違いなく猪木さんは負けていただろうね」
――だから猪木さんは寝て戦ったわけですもんね。
「いつだったか俺の誕生日の時、猪木さんに下田に招待していただいて、旅館に泊まって、ケーキまで持ってきてもらって。一緒にカラオケを歌ったり。2人だけで歌ったよ」
――2人だけですか?
「そう。それもすごいホールだよ。あれ、何人くらい入るのかな? 100人は入るような大きなホールで。そこで2人で歌っているんだから」
――何を歌われたんですか?
「何を歌うのかと思ったら、あれ。『人生楽ありゃ苦もあるさ~』って」
――まさかの「水戸黄門」!
「そうそうそう。次に何を歌うのかと思ったら、『行け! 行け! タイガー~』って」
――「タイガーマスク」を!?
「そう。歌っているんだよね。猪木さんは、俺と会うと必ず言うんですよ。『佐山がいつもお世話になって悪いね』って。そういうイメージがあるんだろうね」
――いつまで経っても。
「だから聞いたの。『猪木さん、佐山はかわいいんですか?』って。そしたら『かわいい』って。たぶん、もうけさせてくれたからじゃないかな(笑)。
――80年代のタイガーマスク全盛期に(笑)。
「そう(笑)」
――93年にUFCができてから、さまざまなジャンルの選手が総合格闘技に挑戦したんですけど、最近はUFCのチャンピオンがメイウェザーとボクシングルールで闘ったり、堀口恭司が天心とキックルールで戦ったり。逆転現象が起きています。
「やっぱり立ち技ですよ! 人気っていうのは回っているから。だからまた、俺たちの時代が来ます(キッパリ)」
――リバイバルして、また立ち技の時代が来ると。
「そう。だから低迷していた時にいかに頑張って組織を維持していくか。選手はきっちり練習して、諦めさせない。『お前らが頑張っていれば、絶対に必ず火がつく』って夢と希望を信じて、実現に向けて努力し続けるしかない。若い人はすぐに結果が出ないと横を向いちゃうからね。そこをいかに飽きさせないで頑張るか。そこが大事じゃないかな」
――ちなみに若い人という部分で言うと、シーザーさんのお子さんたちもSBの選手として活躍しています。
「とくに長男(村田聖明/第13代SB日本スーパーフェザー級王者/SB日本ライト級1位)がね、打ち合う選手なんだよね」
――「観る側」からすると、応援したくなる選手ですね。
「親の立場からするとね、見ていてハラハラするね(苦笑)」
□シーザー武志(しーざーたけし)1955年8月17日生まれ。17歳からキックボクシングをはじめ日本タイトルを獲得した後、85年に自ら考案した立ち技総合格闘技「シュートボクシング」を創設。世界ホーク級の初代チャンピオンとなる。プロモーターとしても世界を飛び回り各国に加盟支部を設けるなど現在はシュートボクシング協会会長として組織を統括する。RENAやアンディ・サワーなど人気選手を輩出する一方、自身も三池崇史作品をはじめ映画などに多数出演し異色俳優としても活動している。11月28日、東京・後楽園ホールで「SHOOT BOXING 2020 act.2」を開催する。